アサーティブ・コミュニケーションの4つの柱とは?

アサーティブ・コミュニケーションを本当の意味で理解するには、以下の「4つの柱」を押さえておく必要がある。

アサーティブ・コミュニケーションのメリットとは? 4つの柱やDESC法など、現代の人材育成に欠かせないポイント

上記のうち、どれが欠けてもアサーティブ・コミュニケーションは成り立たない。上司が部下に歩み寄るだけではなく、部下側もコミュニケーションに対する意識を変える必要があるだろう。

また、実際にアサーティブ・コミュニケーションを導入する際には、ほかにもいくつかの点を意識しなくてはならない。そこで以下では、経営者が特に押さえておきたい2つのポイントをまとめた。

1.空気を読むのではなく、事実をそのまま受け入れる

現代の日本人は、その場の空気を読んだコミュニケーションを取りがちである。確かに空気を読むことは大切だが、実はアサーティブ・コミュニケーションではそれほど意識する必要がない。

アサーティブ・コミュニケーションにおいては、空気を読むことよりも「事実を正しく認識すること」が重要になる。例えば、周りから見ると表情がさえず、イライラしているように見える上司がいたとしよう。このとき、「不機嫌そうだから話しかけないでおこう」とビクビクするのは、前述の受身型のコミュニケーションに該当する。

つまり、空気を読むことに対する意識が強すぎると、理想的なアサーティブ・コミュニケーションは実現しない。仮に上司の表情が不機嫌そうに見えても、実際には「目が疲れているだけ」「プライベートで悲しいことがあった」といった状況は十分に考えられるため、経営者は事実のみを素直に受け入れるような意識づけをしていきたい。

2.命令を「提案」に、説得を「共感」に置き換える

命令と説得は、アサーティブ・コミュニケーションを阻害する行動だ。これらの行動はハラスメントにつながりかねないため、命令を「提案」に、そして説得を「共感」に置き換えることを意識したい。

例えば「書類を片付けてください」は命令口調だが、これを「書類を片付けませんか?」「書類を整理してはどうですか?」のように言い換えると、命令が提案に置き換わる。つまり、語尾や伝え方を少し工夫するだけで、言葉を受け取る側の心情は大きく変わってくる。

一見すると簡単なように思えるが、実践すると意外に難しいと感じるはずだ。言葉の使い方は癖になっていることが多いので、現場から命令・説得をなくすには従業員全体が強く意識する必要がある。

アサーティブ・コミュニケーションの効果的なトレーニング法

アサーティブ・コミュニケーションを身につけるには、地道なトレーニングをする必要がある。では、従業員全体に習得させる方法として、どのようなトレーニングが効果的なのだろうか。

最後に、アサーティブ・コミュニケーションの効果的なトレーニング法を2つ紹介する。

1.DESC法

DESC法は、相手を傷つけずに自己主張をするためのトレーニング法だ。以下の4点を意識した手法のため、その頭文字をとって「DESC法」と呼ばれている。

アサーティブ・コミュニケーションのメリットとは? 4つの柱やDESC法など、現代の人材育成に欠かせないポイント

DESC法を通してアサーティブ・コミュニケーションを身につけるのであれば、上記の4つをすべて意識しなくてはならない。最初からスムーズにこなすことは難しいため、まずは簡単な状況を想定してひとつずつ流れを確認していこう。

2.アイメッセージ

アイメッセージとは、主語に「私(I)」をつけて会話をするコミュニケーション手法のこと。主語に「あなた(You)」をつけるユーメッセージに比べると、相手に少し柔らかい印象を与えられる。

例えば、「あなたのやり方は間違っている」と言うと攻撃的だが、これを「私のやり方とは違う」のように言い換えれば攻撃性が少し和らぐはずだ。さらに、DESC法を意識して具体的な方法を提案できると、アサーティブ・コミュニケーションを実現しやすくなる。