再開発の概要
かつて、目黒駅に降り立ち、東口に向かうと、大きな更地が見えました。そこが再開発エリアとなります。もともと都バスの車庫があった場所であり、その面積は約23,000㎡にも及びます。再開発は東京建物、第一生命保険、大成建設、竹中工務店の4社グループ「MEGURO-LINKS(メグロ-リンクス)」で行われ、超高層マンション2棟(北寄りは地上40階建て528戸、南寄りは38階建て417戸)とオフィス棟1棟(地上27階建て)の建設が行われます。総事業費は約800億円と言われています。この敷地内には約5,300㎡の緑化空間も整備する予定であり、完成は2017年11月となっています。「樹齢と共に活きる街」を計画コンセプトとしており、住環境を重視する目黒区ならではの特徴のあるエリアとなりそうです。駅前広場には低層階の商業エリアも建設予定であり、駅前は上品な賑わいが創出されるのではないでしょうか。また、認可保育所もオープンする予定であり、居住者にとっては住みよい場所となりそうです。なお、マンションの分譲は2015年春にも始まる予定です。
不動産価値の上昇も期待
山手線駅の駅前にこれほどの大規模マンションが建設されることは滅多になく、注目度の高い再開発と言えそうです。すでにある目黒駅のアトレに加え、商業施設が充実してくれば、人も集まりやすく、賑わいはさらに高まりそうです。もともと、JR山手線、東急目黒線、東京メトロ南北線、都営地下鉄三田線があるため、恵比寿や渋谷にも近く、また南北線で六本木や永田町、三田線で大手町界隈まで1本で出ることができるため、都心で働くサラリーマンにとっては願ってもないエリアと言えます。そのうえ、目黒区の政策により、小さな建物や高層ビルやマンションが乱立するようなエリアではないので、快適に住まうことができます。人が集まるところにはお店も集まりますから、今までの目黒駅前とは大きく異なった景色となるでしょう。当然、この影響は不動産価格にも出てくるのではないでしょうか。目黒区、目黒駅周辺ではなかなか見られない大規模マンションは希少性も高く、資産としても十分考えることができます。
山手線南部の景色が変わる
2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて山手線南部のエリアは再開発が続きます。今回取り上げた目黒駅前の大規模再開発と共に、2020年に暫定開業する品川・田町エリアの超大規模再開発、すでにヒカリエが開業している渋谷駅前でも、まだまだオフィスビルなどの大規模再開発が行われます。これらの再開発により東京オリンピック・パラリンピック後には人の流れが変わりそうな気もします。現在、羽田空港の拡張及び羽田空港へのアクセスの改善も進められており、東京南部は大きく変わっていきそうな気配です。今回取り上げました目黒駅前の大規模開発では「緑」が重視されており、大手町など都心の再開発とはまた違ったエリアが誕生しそうです。朝は目黒で緑に囲まれてコーヒーを飲み、お昼は渋谷でショッピング、夜には恵比寿でディナーといった楽しみ方もできます。恵比寿ガーデンプレイスのオープンは1994年。その隣の渋谷と目黒の再開発が完了したころには、周辺地域も大きく変わっているかもしれません。