8月相場も中旬となり、お盆休みを取られている投資家の皆さんも多いのではないでしょうか。

日経平均株価、TOPIX共に7月末水準から2~3%上昇した水準での折り返しとなっています。

東京五輪が終了し、2021/4~6期決算発表もほぼ一巡し、重要日程の消化が進んだことでリスク許容度が回復し、押し目買いも入りやすくなっているようです。

こうした中、8月に株主優待や配当の権利が確定する銘柄の権利付最終日が、2週間後の8/27(金)に迫ってきました。

この時期は小売・外食企業が多く、株主優待も企業の事業内容に触れられるような、食事券や買物券・割引券が多い傾向にあります。

そこで今回は「8月株主優待銘柄」の中から、クオカード等金券の贈呈以外の株主優待が実施され、その企業の事業内容に触れられるような銘柄をご紹介します。

当ページの内容につきましては、SBI証券 投資情報部長 鈴木による動画での詳しい解説も行っております。ぜひ、ご視聴ください。

日本株投資戦略
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■執筆者のプロフィール

鈴木英之
鈴木 英之
SBI証券 投資情報部長 
ラジオNIKKEI(月曜日)、中部経済新聞(水曜日)、ストックボイス(木曜日)、ダイヤモンドZAIなど、定期的寄稿も多数。
・出身 東京(下町)生まれ埼玉育ち
・趣味 ハロプロの応援と旅行(乗り鉄)
・特技 どこでもいつでも寝れます
・好きな食べ物 サイゼリヤのごはん

≪30万円以下で買える≫8月株主優待銘柄

日本株投資戦略,上方修正期待銘柄
(画像=PIXTA)

以下、全ての条件を満たす銘柄について、SBI証券の株主優待検索ページで閲覧回数が多い順に並べたものが図表1です。

(1)8月に権利確定月を迎える上場銘柄であること。
(2)株主優待の権利を確保できる最低投資金額(全銘柄が100株投資時)が30万円以下の銘柄であること。
(3)株主優待の権利を確保する際に、最低投資期間等の条件が付加されていない銘柄であること。
(4)株主優待の内容を金銭換算した場合、1株1,000円以上を確保することが可能であること。
(5)株主優待の内容がクオカードや、お米券など金券の贈呈だけの銘柄は除く
(6)2月決算銘柄の場合は第1四半期、8月決算銘柄の第3四半期累計の純利益が黒字で前年同期比増益。
(7)過去5営業日(8/5~8/12)で最多売買高の営業日の売買高が1万株以上あること。
(8)権利付最終日が8/27(金)の銘柄であること。

条件(2)最低投資金額の意図は投資可能金額が100万円程度の投資家が、最低でも3銘柄以上に分散投資が行えることを目的としています。

■ご参考

条件(2)最低投資金額30万円を僅かに上回るため、図表1にご紹介銘柄として掲載していませんが、イオン(8267)も魅力的な優待でSBI証券の売買代金ランキングでも人気の銘柄です。

半期100万円を限度とする買物金額に対し、保有株数に応じた割合で返金を行っています。100株以上の保有で3%、500株以上の保有で4%、1,000株以上の保有で5%、3,000株以上の保有で7%の返金が受けられる予定です。

また、2月のみ、3年以上継続保有した株主に対して、自社ギフトカードの贈呈も行っています。

30万円台以下で買える8月株主優待銘柄
(画像=SBI証券)

図表1 30万円台以下で買える8月株主優待銘柄
コード / 銘柄 / 株価(8/12) / 8月末/通期予想1株配当 / 年間予想配当利回り / 株主優待の権利獲得に必要な最低投資株数100株での8月株主優待概要
<2882> / イートアンドホールディングス(2) / 2,053 / 5.0/10.0 / 0.49% / 2,000円相当の食事券
<9861> / 吉野家ホールディングス(2) / 2,068 / - / - / 飲食券(300円)×10枚
<3543> / コメダホールディングス(2) / 2,043 / 25.0/51.0 / 2.50% / 1,000円相当の自社電子マネー
<3048> / ビックカメラ(8) / 1,098 / 10.0/15.0 / 1.37% / 買物優待券(1,000円)×1枚
<2735> / ワッツ(8) / 914 / 22.0/22.0 / 2.41% / 自社オリジナル商品詰合せ1,000円相当
<7513> / コジマ(8) / 683 / 10.0/10.0 / 1.46% / 買物優待券1,000円×1枚
<3387> / クリエイト・レストランツ・ホールディングス(2) / 906 / - / - / 優待食事券2,000円相当
<3396> / フェリシモ(2) / 1,414 / 0.0/5.0 / 0.35% / 1,000円相当の自社取扱商品詰合せ(食品・生活雑貨等)
<9414> / 日本BS放送(8) / 1,118 / 20.0/20.0 / 1.79% / 1,000円相当の「ビックカメラ」商品券
<2927> > / AFC-HDアムスライフサイエンス(8) / 1,271 / 15.0/27.5 / 2.16% / 自社子会社商品割引券(1,000円)
<3608> / TSIホールディングス(2) / 347 / 0.0/5.0 / 1.44% / 優待割引クーポン(1冊7枚綴)×1冊
<9418> / USEN-NEXT HOLDINGS(8) / 2,694 / 12.5/12.5 / 0.46% / 自社ポイント付与1,000円相当(1回)
<3548> / バロックジャパンリミテッド(2) / 878 / 0/38.0 / 4.33% / クーポン(2,000円相当)
<8260> / 井筒屋(2) / 212 / 0.0/0.0 / 0.00% / 買物優待券(7%割引)×10枚他
<8278> / フジ(2) / 1,995 / 12.5/25.0 / 1.25% / 株主優待割引券2,000円相当など
<7514> / ヒマラヤ(8) / 1,194 / 10.0/20.0 / 1.68% / 値引券(1,000円)×1枚

※Bloomberg、東洋経済新報社データをもとにSBI証券が作成。
※銘柄名横のカッコ付き数字は決算月を示しています。「8月末/通期 予想1株配当」において、「8月末」は、2月決算銘柄の中間期末、8月決算銘柄の下期末予想配当です。予想は会社予想ベースで「-」は未公表です。
※株主優待情報は原則として毎月下旬に更新しており、また、提供元データは東洋経済新報社が作成にあたり調査した、毎月中旬までの公表情報に基づくものです。そのため、株式分割・売買単位変更等のコーポレートアクションにより、優待獲得最低株数・優待獲得最低金額等が実際とは異なる場合がありますのでご注意ください。
※株主優待の内容、権利確定月、権利付最終日等は随時変更される可能性がありますので、最新の情報は必ず当該企業のホームページ等をご確認ください。
※図表の銘柄は権利付最終日が全て8/27(金)の予定です。
※条件(6)について、イートアンドホールディングス(2882)は決算期変更により、比較対象が2021/3~5期を、2020/4~6期と比較しています。
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

抽出銘柄の投資ポイント

図表1に掲載した銘柄の一部について、投資ポイントや株主優待・配当のより詳細な内容をご紹介します。

イートアンドホールディングス(2882) 「大阪王将」等を展開する“フルライン型フードメーカー”

イートアンドホールディングス(2882)
(画像=SBI証券)

期間:2020/8/21~2021/8/13(日足)
※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

■冷凍中華の販売が下支え

食品(第1四半期売上構成比59.4%)と外食(同40.6%)をフルラインで展開しているフードメーカー。外食部門では「大阪王将」354店舗を含む計467店舗を展開しています。

2022/2期第1四半期は2021/2期第1四半期比で、営業損益が3.4億円改善し2.75億円の黒字に。外食部門が黒字転換したことに加え、冷凍餃子市場の拡大が続き、食品事業も増益となりました。

2022/2期(通期)は業績全般の回復に加え、協力金の計上もあり、最終損益は黒字を回復する見込みです。株価は8/2(月)に2,070円の年初来高値を更新しました。

■100株保有で2,000円の食事券(8月末予想)

8/27(金)現在で100株以上を保有する株主に2,000円相当の食事券を贈呈する予定です。

2月末については、100株以上を保有の株主に3,000円の自社製品(冷凍餃子等)が、500株以上で9,000円相当、1,000株以上で18,000円相当の自社製品(同)が贈呈される制度になっています。

1株配当は2021/8末に5円、2022/2末に5円で年間計10円(予想配当利回り0.49%)の会社予想です。

吉野家ホールディングス(9861) 牛丼チェーンを展開。セルフ式讃岐うどん「はなまる」も

吉野家ホールディングス(9861)
(画像=SBI証券)

期間:2020/8/21~2021/8/13(日足)
※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

■牛丼チェーンを展開。業績は回復基調

牛丼チェーン「吉野家」を中核とする大手外食の企業グループです。この他、セルフ式讃岐うどん「はなまる」や持ち帰り寿司の「京樽」も展開。中核の「吉野家」は、国内だけでなく米国や中国など海外へも進出しています。

店舗数(2021/5末)は吉野家1,186店、はなまる469店、海外965店、その他238店の合計2,858店(前期末比22店減少)で、第2四半期以降は徐々に出店を再開する方針です。

業績は改善傾向です。2022/2期第1四半期の売上高は前年同期比8.1%減の364.5億円にとどまりましたが、コスト改善効果等により純利益は15.3億円の黒字(前年同期は40.9億円の赤字)になりました。

■飲食券(300円)10枚を贈呈

当社の株式を8/27(金)現在で100株以上保有する株主に対しては飲食券(300円)が10枚贈呈されます。保有株式数が1,000株以上で20枚、2,000株以上で40枚の贈呈になります。なお、2月末も同様の優待制度になっています。

コメダホールディングス(3543) 名古屋の喫茶文化を全国へ。“コメダ珈琲”を展開

コメダホールディングス(3543)
(画像=SBI証券)

期間:2020/8/21~2021/8/13(日足)
※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

■「コメダ珈琲店」を全国に展開

名古屋で誕生した喫茶店「コメダ珈琲店」をFC主体で全国に展開しています。

2022/2期・第1四半期末の「コメダ珈琲店」店舗数は、東日本で280(前期末比+6)、中京で313(同±0)、西日本で296(同+2)、海外22(同+4)で計911店舗(同+12)。グループ合計では925店舗(同+11)となっています。

ゆったりとした客席に、店員が顧客第1で丁寧に応対し、親しみやすい定番メニューやモーニングを提供しています。FC主体の店舗展開で、工場以外に大きな設備投資を必要としないことから、キャッシュを生み出す力が強いのが強みです。

2022/2期第1四半期は売上高82.2億円(前年同期比39.2%増)、営業利益20.1億円(同116.1%増)と順調で、通期では営業利益72.5億円(前期比31.6%)を計画しています。市場では今後も数年、着実な成長を予想しています。

■配当利回りも高め

8/27(金)現在で100株以上保有の株主に株主優待用のプリペイドカード「KOMECA」を贈呈され、1,000円の優待金額がチャージされます。

1株当たり8月末(上期末)に25円、2月末(下期末)に26円で、年間51円の配当(予想配当利回り2.5%)が予定されています。株主優待のみならず高めの配当利回りも魅力となっています。

※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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鈴木英之
SBI証券 投資調査部

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