本記事は、若月りく氏の著書『会社を辞めずに大富豪になるプレミアムマンション投資』(ぱる出版)の中から一部を抜粋・編集しています

あなたの名刺は金持ち名刺? 貧乏名刺?

名刺
(画像=art&craft/PIXTA)

名刺を担保に銀行から融資を取り付け、資産価値の高い都心部のプレミアム・ワンルームマンションを収益不動産として購入する。これが本書で紹介する極めてシンプルで、失敗しづらく、再現性が高い投資法です。

この「名刺」とは、あなたの「属性」を意味するもの。そして属性とは、「その人に備わっている性質や特徴」のこと。つまり銀行融資という観点から見た場合、属性イコール職業や勤務先の企業を指すことになります。

ふつう名刺は普段から持ち歩き、自分の身分や連絡先を伝える役割に過ぎないシンプルなものですが、いざ銀行に融資を申し込む際には、職業や会社を表す名刺が「お金を借りる信用力」になるわけです。

名刺が銀行融資における信用力を示すという見方をするとき、そこには強い名刺と、そうでない名刺の序列ができることになります。

つまりは銀行などの金融機関によって、「融資しやすい職業や企業」と、「融資しにくい職業や企業」という色分けがされていくということです。

これは、職業差別にもつながる素地があり、とても語弊のある表現だと承知の上で、読者のみなさんに分かりやすく伝えるために、見出しにあえて「金持ち名刺」「貧乏名刺」と表記しました。

なにも職業や勤務先企業に優劣をつける意味ではなく、あくまでも不動産投資においての、金融機関が融資判断を行う際の一つの見方に過ぎないことを前提としていただければ幸いです。「融資のしやすさ」と「融資のしにくさ」の基準がどこにあるのかを分かりやすく紹介するための、一種の比喩表現に過ぎないとご理解ください。

では、銀行などの金融機関の担当者、つまり銀行員は、あなたの名刺のどこを見ているのでしょうか? それは言うまでもなく、職業や勤務先であり、もっと言えば、名刺の裏に隠された給与明細(源泉徴収票)の評価です。

収益や報酬、給与の面で長期に安定性のある職業や職種かどうか、逆に離職やリストラの可能性がないか、実績のある長期安定企業であるか、逆に破たんの可能性があるかが、彼らにとっての判断基準であり、重視すべき要素になるわけです。

いまの時代、もはや多くの組織や企業で年功序列や終身雇用の文化はなくなりつつありますが、銀行は依然として、あなたの入社後のキャリアをしっかりと見ています。勤続年数や給与のベースアップの度合い、企業の規模や社歴や業績といったものが反映される給与明細を凝視しているわけです。

その際、銀行側が評価する名刺、つまり「金持ち名刺」というのは、一部上場などの長期安定の大企業であり、公務員、また医師や弁護士、公認会計士や薬剤師といった強い資格を持った士業が当てはまることになるのです。ちなみに士業は一般の自営業とは違い、国家資格を持つことで未就労リスクの低い点が評価されます。

これらの名刺に共通するのは、長期に安定的な給与収入を得ていくことのできる職業や職種、そして破たんするリスクの低い長期安定企業ということになるわけです。

栄枯盛衰が激しい不安定な企業は評価されにくい

いっぽう、金融機関の見方として、あえて言うところの「貧乏名刺」に当てはまるものは何でしょうか。

たとえば同じサラリーマンでも、外資系企業やベンチャー企業など、急成長を遂げていても栄枯盛衰が激しい不安定な企業はそれに当てはまりがちです。

起業して5年の、新進のベンチャー企業で年収2000万や3000万の給与を得ている人よりも、創業50年の一部上場企業に属し、勤続年数10数年で年収800万円から1000万円の人のほうが、銀行員が見る名刺の力は上であることが多いのです。

またスポーツ選手やフリーのエンジニア、コンサルタントなども融資獲得力を評価軸にすると「貧乏名刺」のなかに入ってくる可能性があります。

IT全盛のいま、技術力のあるフリーのエンジニアは、どの企業からも引く手あまたの人材でしょう。けれども日進月歩のITだけに、栄枯盛衰が非常に激しい業界ということもできます。今から20年前はスマホなど世のなかになかったわけで、固有の技術だけにこだわっていると、環境の変化でせっかくのスキルが廃れてしまう場合もあるわけです。

同じエンジニア職でも、時代に合わせて柔軟に変容できる会社に属していれば、その名刺は各段に評価を高めます。たとえばソニーはウォークマンやプレステなどのゲーム機などで一世を風靡しましたが、いまは映像コンテンツなども含めたクリエイティブな事業領域への転換を進めています。富士フイルムも、かつてのフィルムメーカーとしての面影はもはやなく、医療・健康分野で大きく成長を遂げました。

こうした、時代に即したソリューションの切り口に重きを置き、柔軟に変容していける企業に属している人の名刺は、おのずと金持ち名刺になっていきます。

実は企業の成長性を考えるとき、こうした未来型の思考を持てるか否かの文化やカルチャーはとても大事であるわけですが、私たちが銀行に名刺を出して審査を受けるとき、銀行の側がそうした点をどれだけ見てくれているかは、個人的には大いに疑問です。

会社の規模は? 勤続年数は? 平均年収は? 平均年齢は? …こうした定量的な評価だけを重視するのではなく、企業のカルチャーや成長性を深掘りしていく金融機関の担当者が、ぜひ増えてくれることを望んでいます。

金融機関は何よりも長期的安定性を重視する

サラリーマンの場合、自分の名刺が「金持ち名刺」なのか、そうでないのか、確かめるにはどうすれば良いでしょうか。

たとえば上場会社であれば、有価証券報告書や会社四季報が参考になります。会社の事業内容や特色、事業部門ごとの売上高に対する構成比率、業績見通しなどの株価材料が掲載され、金融機関が自分の会社をどのように見るかという指標になるでしょう。

また、私が参考になると思うのが、リクナビやマイナビなどのいわゆる就活サイトです。

就活サイトには、平均年齢や平均勤続年数や給与水準、業績や企業の魅力や特性が網羅的に掲載されています。定量的なものだけでなく、会社の理念などのカルチャーも分かりやすくまとめられていて参考になります。

一つ分かりやすいサイトをご紹介すると「就活総研」が平均年収、平均年齢、平均勤続年数が一覧となっていて、個別の会社、業界の雰囲気が一目瞭然になる様に纏めてくれています。

https://shukatsusoken.com/ranking/salary/

私、若月りくが考える指標では、シンプルに言って、「平均勤続年数×平均年収」の値の大きな企業ほど、金持ち名刺の度合いが高いと位置付けられます。

つまり銀行の評価が高いのは、年収額は500~700万円で、20~30年と安定して存続できる企業です。そうした会社に勤めている人であれば、おのずと堅実な生活をしていると見られ、返済を踏み倒したりはしないという見方をされるのです。

たとえば、年によっては3000万円もの印税収入があるという、ある出版プロデューサーの銀行融資が下りた要因は、数千万の印税収入ではなく、80名の会員による毎月の文章教室の会費収入のほうだったという実例もあります。

サブスクリプションによる事業モデルがいま増えていますが、何かのソフトウェアが当たって1億円で販売する会社よりも、サブスクによる1000万円のライセンス収入が5年間継続しているほうを銀行は評価するわけです。

単純な掛け算では1億円のほうがいいに決まっているのに、銀行が評価するのはあくまでも後者。継続性のある安定的な成長戦略を描けることが、銀行融資の視点での金持ち名刺ということになると言えるのです。

また、たとえ知名度のない中小規模の会社でも、社会インフラを支える業態で、景気に左右されない点で金持ち名刺になるものは多々あります。

たとえば水道や電気といった公共財を支えるような技術系の会社などは、堅い事業基盤があり、安定した収益性が見込まれる点で銀行の評価が高くなります。

景気や社会環境に業績が左右される…ということで言えば、今回のコロナ禍では、旅行や飲食、アパレルなどの業界が大きな打撃を被ることになってしまいました。

コロナ禍のような、予期せぬ突発的な外的要因の影響を受け、これまで順風満帆だった業界に暗雲が立ち込めることは、不運かつ不幸であるとしか言いようがありません。

だからこそ、我々サラリーマンはいざというときのために、本業と並び得る本業以外の収入となるものを作っておくべき。それをローリスクで行うことができる不動産投資は、まさに大きな価値があると言えるのです。

会社を辞めずに大富豪になるプレミアムマンション投資
若月りく(わかつき・りく)
香川県高松市出身。工学修士。留学、遊学、駐在等で世界3カ国の滞在経験。一部上場企業にて、事業投資、事業計画、案件開発、資産管理等の担当経験あり。副業としてはじめた「プレミアム・ワンルームマンション投資」で成功し、現在は給与所得と合算して3000万円超の年収を獲得。ド派手、爆上げ、圧勝よりも、効果的、効率的に少し余裕を持つライフスタイルを推奨。

※画像をクリックするとAmazonに飛びます
ZUU online library
(※画像をクリックするとZUU online libraryに飛びます)