さまざまな企業と情報を共有する現代企業にとって、秘密保持契約(NDA)は欠かせないものだ。M&Aや提携のほか、外注をする際に締結するケースも多く見られる。情報漏えいのリスクを抑えるために、経営者は基礎的なポイントをしっかりと押さえていこう。
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「秘密保持契約(NDA)」の意味とは?
秘密保持契約とは、自社の情報を他社へ提供する際に、その情報の漏えいを防ぐ目的で締結する契約のこと。秘密保持契約は「NDA(Non-Disclosure Agreement)」と訳されることもあり、主にM&Aや業務提携などの場で結ばれることが多い。
秘密保持契約(NDA)はなぜ必要?企業の主な目的をチェック
事業承継やグローバル化が全国的に進む現代企業にとって、秘密保持契約は欠かせないものになりつつある。
技術提携や業務提携によって他社と協力体制を築くと、生産性が高まる代わりに情報漏えいのリスクが高まる。自社の貴重なノウハウや技術が流出すれば、たちまち競争力を失ってしまう恐れがあるため、パートナー企業からの漏えいには細心の注意を払わなくてはならない。
また、最近では一部の業務を外注するにあたって秘密保持契約を結ぶようなケースも多く見られるようになった。外注の際に秘密保持契約を結ぶと、万が一情報漏えいが生じた場合に損失額を賠償してもらえるため、外注先にさまざまな情報を渡せるようになる。その結果、外注先への指示が具体化すれば、成果物を作るまでのスピードやクオリティも上がってくるだろう。
ほかにも「対等な関係を築くため」や「共有できる経営資源を増やすため」など、秘密保持契約を結ぶ目的はケースによってさまざまである。