SDGsに取り組む企業の事例

SDGsに取り組むことによる企業のメリットがあることを説明してきたが、すでに取り組んでいる企業は多数ある。SDGsに取り組む企業の事例を紹介しよう。

外務省「JAPAN SDGs Action Platform」

SDGsに関連した取り組みを幅広く紹介することを目的に運営しているプラットホームで、さまざまな事例を見ることができる。外務省「JAPAN SDGs Action Platform」では、SDGsに関する各種資料や日本政府の取り組み方針、取り組み事例などの多くの情報を調べることが可能だ。SDGsについてより詳しく調べたい企業は、活用をおすすめする。

企業の取り組み事例を紹介

プラットホームの中からいくつか取り組み企業を見てみよう。

・インドにおける器楽教育導入の取り組み(ヤマハ株式会社)
ヤマハは音楽文化の普及活動の一環として音楽教育事業を展開。音楽や楽器を通じた学習機会を創出してきた。SDGsの目標4「すべての人々に質の高い教育を」の達成に向け、世界の子どもたちに音楽・楽器演奏の喜びを伝え続けている。

インドでは公教育のカリキュラムに音楽教育が導入されていない。2018年からヤマハが展開しているインドのスクールプロジェクトでは、小学校3年生以上を対象とし、リコーダーを使った器楽教育の機会を提供している。

・エネルギー“ゼロ”の住宅・建築物の普及を目指す(大和ハウス工業株式会社)
住宅や建築物は、長期間居住・使用されるためCO2の排出量も多大だ。環境問題が深刻化する現代、個々の建物の対策を街全体に広げ、効率的かつ広範囲でのエネルギーゼロ化が求められている。

大和ハウス工業では、脱炭素社会実現とエネルギーの効率利用を図るため「エネルギー“ゼロ”の住宅・建築・街づくり」に注力。さらに今後は、住宅や建物間、電力融通による地域でのエネルギー自給、太陽光発電所の住まいてによるシェアなど、新たなカタチを追求。より快適で暮らしやすい街づくりを目指している。

中小企業はできることから始めよう

中小・零細企業の中には、資金面・人員面からSDGsへの取り組みをためらうこともあるであろう。新たな商品やサービスを開発するには、資金や取り組みに向けた組織づくりも必要となる。忙しい日ごろの業務の中で新たな取り組みをすることは、負担が大きいと考える経営者もいるのではないだろうか。しかし従業員も安心できてやりがいがある職場づくりは、中小企業においても効果は同じくある。

取引先に渡す名刺をエコ素材に変更することもSDGsへの取り組みのひとつだ。テレワークの導入やペーパレスの導入も業務の効率化につながる。業務の効率化により残業を減らすこともSDGsの取り組みといえるのだ。働きやすい環境を作ることは、従業員の業務の効率化や生産性の向上に結び付く。ビジネスに直結したSDGsの取り組みが難しくても身近で簡単にできることから始めることが大切だ。