本記事は、伊庭正康氏の著書『超効率的に結果を出す テレアポ&リモート営業の基本』(日本実業出版社)の中から一部を抜粋・編集しています
〇〇をつけるだけで購入率が2倍に!
●「この商品いかがですか、〇〇さん」「ところで〇〇さん」
とても簡単なのに、テレアポをしている人が、意外と使っていないテクニックを紹介します。しかも、売上が2倍になります。
それはお客様を呼ぶときに「〇〇さん」と名前で呼ぶこと。それだけです。
「この商品いかがですか、○○さん」 「ところで○○さん」
簡単ですよね。これは「ネームコーリング」と呼ばれる、名前で呼ぶと一気に親しみが出るという心理学のテクニックです。
トップセールスの人たちは無意識に使っていますが、意識的にやっている人はほぼいません。売上が2倍になる理由は、ある実験で示されています。
●ダニエル・ハワード博士の実験結果
アメリカ・南メソジスト大学のダニエル・ハワード博士は、学生たちを教授室に呼び出して、次のような心理学の実験を行いました。
あるグループには、名前を呼んで「クッキー買ってよ」と言い、別のグループには、名前を呼ばないで「クッキー買ってよ」と言いました。
すると、名前を呼んだグループの購入率は90%、名前を呼ばなかったグループは50%、なんと約2倍もの違いがあったそうです。
名前を呼ばれると、相手は親近感を覚えて、行動に変化が起きるのです。
ネームコーリングは、私も営業で実際に使っていたテクニックです。
驚くほど効果がありましたが、テレアポの現場を見ていると、使っている人があまりいません。もったいないです。
「私、港区の担当になりましたので、お電話させていただきました」
ただこう伝えるのではなく、相手の社名や担当者の名前を付け加えるのです。
「私、港区の担当になりました。ぜひABC商事様にはご挨拶させていただきたいと思いまして、お電話させていただきました」
「山田様、いつも大変お世話になっております」
社名や相手の名前をつけるだけで一気に距離感が縮まった感じがしませんか?
それはお客様にとっても同じことです。名前を呼ばれることは「あなたの価値や存在を認めています」という存在承認になります。これは誰もが嬉しいものです。
「誰か」に買ってほしいのでなく、「あなた」に買ってほしいという気持ちを伝えることで、お客様の購入に対する意識がまったく変わります。
●話の内容より「人柄」で購入する
アメリカのスタンフォード大学でも、興味深い実験が行われました。
同じ話を聞いても、話の「内容」を意識した場合と、話す人の「人柄」を意識した場合では、受け取り方が大きく異なるというのです。
同じ話を聞いて意見を変えた人の割合は、次のような結果になったそうです。
話の「内容」を意識したグループ………20%が変更 話す人の「人柄」を意識したグループ…43%が変更
話す人の「人柄」は、話の「内容」よりも人の行動に大きく影響を与えます。この実験では、2倍以上の差がありました。
商品のパンフレットを見ても別に買おうと思わなかったのに、信頼している人から勧められたら迷わず買ってしまった。
そういう経験、ありませんか?
クチコミで商品がヒットしたり、有名人行きつけのお店に行列ができたりするのも、同じことです。私たちは「内容」より「人柄」に影響されるのです。
お客様の名前を呼ぶと、営業担当者も、単なる「営業マン」から「○○社の□□さん」として認識され、「人柄」を意識してもらえるようになります。それによって「人」と「人」という関係性に変化してきます。
「人」と「人」の関係になることができたら、アポイント率も上がり、購入率が2倍に増えます。ネームコーリング、すぐにでも始めてみてください。
Point お客様の「名前」を呼ぶだけで、購入率が2倍に増える
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