戦略ドメインの決め方や考え方

上記の中でも「戦略ドメインの策定」は、多くの経営者が悩みやすいプロセスだ。
自社の最適な戦略ドメインは、次の3つに分けるとイメージが湧きやすくなる。

経営戦略の必要性とは?策定の基本プロセスや成功につなげる3つのポイント

例えば、工事現場用の車両・機器を製造している場合は、以下のように戦略ドメインを考えていく。

・標準顧客…現場の作業を担当する企業
・顧客機能…安全性や信頼性が高く、かつ工期に間に合うように提供すること
・能力や技術…自社の安全管理システムや物流ネットワーク など

このように細分化すれば、自社が入手すべき技術やノウハウ、経営資源などが明確になるだろう。

経営戦略を成功させる3つのポイント

経営戦略を成功させるには、ほかにも押さえておきたいポイントがいくつかある。ここでは特に意識すべきポイントを3つまとめたので、策定する前にしっかりと確認しておこう。

1.分析にフレームワークを用いる

内部環境や外部環境の分析、戦略ドメインの策定時には、関連するフレームワークを活用することが望ましい。例えば、外部環境分析の際にPEST分析(※)を用いると、自社に関係するマクロ外部環境を洗い出しやすくなる。
(※)「政治的環境・経済的環境・社会的環境・技術的環境」の4つの観点から、マクロ外部環境を分析すること。

ほかにもSWOT分析やCFT分析など、経営戦略の策定に役立つフレームワークはいくつか存在する。経営戦略の質が高まるだけではなく、策定のスピードアップにもつながるので、できるだけ多くのフレームワークを用いながら調査・分析を進めていこう。

2.専門家(コンサルティング会社など)をうまく活用する

経営戦略の策定には専門的な知識が必要になるため、社内だけでは策定が難しいこともある。このようなケースでは、無理をせずに専門家に相談することを検討したい。

経営戦略に関する相談先としては、主に以下が挙げられる。

・コンサルティング会社
・金融機関(主にメインバンク)
・税理士や会計士
・中小機構
・商工会議所

ちなみに上記に該当する相談先だからと言って、必ずしも有益なアドバイスを受けられるとは限らない。同じコンサルティング会社であっても、大企業専門と中小企業専門とでは得意とする案件が異なる。

そのため、専門家を活用する際には相談内容を明確にした上で、その内容を得意とする相談先を選ぶことが重要だ。また、相談先によって見解が変わることもあるので、専門家に全てを任せるのではなく、自社側できちんと判断できる体制も整えておきたい。

3.各施策に優先順位をつける

中小企業の経営戦略では、各施策に優先順位をつける必要がある。基本的に中小企業の経営資源は限られており、すべての施策を十分に進められるとは限らないためだ。

また、各施策に優先順位をつけておくと、経営資源の適切な配分も容易になる。例えば、収益性の高い事業を優先し、その事業へ集中的に資源を投下すれば、大きな利益を上げられる可能性が高まるだろう。