本記事は、菊岡正芳氏の著書『売上を10倍にする「コンサル脳」のつくり方』(ぱる出版)の中から一部を抜粋・編集しています
顧客が気持ちよく「購入ステップ」を踏める魔法!
顧客があなたの商品・サービスを、4つの「購入ステップ」を踏み、喜んで購入していく〝魔法〟があります。
その魔法は、あなたが商品・サービスを説明するのではなく、顧客と対話することです。
なぜ対話なのでしょう。対話の反対語は辞書で調べると独話、1人で話すことです。顧客と接している場面で、独話はありえないとあなたは感じるかもしれませんが、そうではありません。
対話とは相手の存在があり、かつ相手の存在を尊重することです。
営業現場で、営業パーソンは自分の取り扱う商品・サービスが優れていると信じ、その良いところや価値について、力を入れて説明します。顧客にとって購入するメリットがあると信じて話します。すると、営業パーソンの話す時間が必然的に増えていきます。
しかし、必ずしも営業パーソンの話が顧客の求めているものと合致しているとは限りません。セールスパーソンの話が先走り、顧客が置き去りになってしまった経験が一度はあるのではないでしょうか。
このような時は営業パーソンの独話になっています。良かれと思ってやっていますが、対話相手である顧客を尊重していない状態です。どちらかといえば上から目線で教えてあげるという状態です。
これでは魔法にかかるどころか、顧客が逃げ出すきっかけ、断るきっかけを営業パーソンが自らつくり出していることになります。
「顧客が喜んで購入する魔法」とは、顧客の関心に寄り添い、深掘りし、顧客自らが買いたい理由、買ったときの理想の場面に気付くことです。
あなたの商品・サービスを使っている場面を自ら描いて、そこで喜んでいる、感情が動く場面を描きます。そして営業パーソンに勧められたのではなく、自分の決断、自分の意思決定で決めたと感じることです。
人は他者から勧められたものより自分で気付いたものが重要と感じます。自分で気付いたものは確かで信頼に値すると感じます。
また、人は自分で決断した、自信を持って購入したという、自分を肯定的に捉えたい気持ちと安心感の双方を求めます。自分で決断するためのサポートは喜んで受けたいと思い、そのサポートをしてくれる人を信頼できる人と認識します。
しかし残念ですが、顧客が自らの意思決定のみに従って商品を購入することはまれです。
イノベーターやアーリーアダプターの一部は、自分で自分に魔法をかけることができる人たちです。自らが買いたい理由、買ったときの理想の場面に気付く人たちです。あなたの商品・サービスを使っている場面を自ら描き、その状態で喜んでいる場面を描くことができる人たちです。
これらの人たちはあなた以上に場面を描くことが得意な人たちです。したがってあなたは、イノベーターやアーリーアダプターの一部が作り出した場面を集め、その場面に魔法をかけていきます。
顧客を魔法にかける「価値ストーリー︎」!
人が心地よいと感じ、感情が動くものは「ストーリー」です。
多くのヒット映画では、ヒーローズ・ジャーニーの形式を用いています。スターウォーズ、スーパーマン、スパイダーマン、アベンジャーズ。日本の漫画でも、昔は巨人の星、エースを狙え、スラムダンク、最近では鬼滅の刃。すべてヒーロー・ヒロイン達が活躍するストーリーです。
ヒーローズ・ジャーニーとは次のストーリーです。
①使命・天命がある ②試練に会う ③試練を乗り越える ④目指す未来を達成する
自分の商品・サービスでは、そんなヒーローズ・ジャーニーのようなストーリーは描けないと感じているかもしれません。大袈裟なヒーローでなくて良いのです。身近なヒーロー、あなたの商品・サービスを購入した顧客が力が湧くようなストーリーで良いのです。顧客の小さな変化で良いのです。
これまで、顧客が求めているのは、商品・サービスそのものではなく、それによって得られる「変化」であると紹介してきました。小さな変化を、場面を加えたストーリーに仕立てていくのです。
「価値ストーリー」は、あなたが一方的に提供するものではなく、顧客があなたとの対話を通じて、顧客が描いていくものです。つまり「価値ストーリー︎」は、顧客が自分のヒーローズ・ジャーニーを描くお手伝いをするものです。
顧客があなたのサポートを受け、あなたとの対話を通じて、自らが買いたい理由、買ったときの理想の場面を発見していきます。そして、顧客があなたの商品・サービスを購入した後の変化、喜び、満足を描いていく手法です。
ここで描かれる場面こそが、顧客がとても買いたい!というモチベーションが頂点に達し、購入の意思決定に動く瞬間なのです。
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