本記事は、菊岡正芳氏の著書『売上を10倍にする「コンサル脳」のつくり方』(ぱる出版)の中から一部を抜粋・編集しています
愛用客が何に満足しているか発掘する「8つの質問」!
愛用客が、あなたの商品・サービスを選んでいる場面や満足する状況を想像することから始めてみましょう。もし詳細が分かっていないことに気付いたら、まずは愛用客にこれから紹介する質問を行ってみましょう。
最初は、愛用客の中でも話やすい人から始めるのがよいでしょう。
話やすい人から始めて、分かってきた場面・変化の情報をもとに、愛用客のなかでも無口な人にアプローチします。無口な方でも愛用客である以上は、必ずあなたの商品・サービスのお気に入りのポイントがあります。人に伝えたくない自分だけの満足感があります。でなければ、あなたの愛用客にはならないです。
最初に行うことは、簡単です。まずは愛用客の名前を書き出します。すぐに10人くらい挙げられますよね。最初に思い浮かぶ人はきっといつも話している人です。話やすい人が浮かんだら、次は無口な人を思い浮かべましょう。名前をすぐに思い出せなくても大丈夫。あなたと接する機会が多い人は愛用客であることが多いです。リストに加えていきましょう。
愛用客に聴くことは、あなたの商品・サービスで気に入っている「場面」と、それによって得られる「変化」です。
人には3つの存在、過去・現在・未来があります。まずは過去から聴いていきます。具体的には次の8つの質問になります。
あなたの未来を広げていく、末広がりの「八」。「8つの質問」が売上10倍価値作りの第一歩です。
①きっかけを尋ねる
過去にあなたの商品・サービスを選んだきっかけを尋ねます。場面を話しやすくする問いかけからスタートするのです。このきっかけの中に、2つ目以降の質問で尋ねる内容が出てくるときがあります。顧客に自由に話していただくことで、顧客が選んだ最も重要な点が最初の発言に出てくることが多いです。
セリフ「どうして私の商品・サービスを使おうと思ったのですか。最初のきっかけは何でしょうか」
②場面とその変化、満足した点を尋ねる
最も重要な質問です。使った場面とその時に起きた変化を尋ねます。その時の感情の変化を尋ねます。何が変わったかを聴き出すことが特に重要です。質問①で使った場面や不満足が出てきた場合には、その言葉を復唱しながら尋ねていきます。
セリフ「どんな場面で使われましたか。その場面でどんな変化や満足がありましたか。不満足が解消しましたか。そしてどんな気持ちでしたか」
③緊急性を尋ねる
買い求めた時の緊急性を尋ねます。
セリフ「緊急に必要になったのですか。ゆっくり考えて選ばれましたか」
④新しいものへの考え方を尋ねる
新しいものへの選択傾向を尋ねます。イノベーションの選択であるキャズム理論に基づいて、この顧客はどの層に当てはまっているかを尋ねます。
セリフ「このような商品・サービスは以前からよく使われていますか? 早く買うことが多いですか」
⑤得意分野か否かを尋ねる
得意分野か苦手分野かを尋ねます。得意・苦手ではなく、詳しいかどうかが顧客にとっては答えやすい場合があります。
セリフ「この商品・サービスについては詳しい方ですか。得意な方ですか」
⑥面倒を尋ねる
購入の面倒さや手間を尋ねます。
セリフ「選ぶ時に面倒だ、と思ったことはありますか。前にお使いのものと比べてどうですか」
⑦誰かの影響を尋ねる
誰かの影響によって購入動機が生まれたかを尋ねます。質問①のきっかけで出てくることがあります。
セリフ「どなたかのご紹介がありましたか。影響を受けた人やメディアはありましたか。その場合はどんな気持ちでしたか」
⑧影響力の発揮を尋ねる
影響力を発揮したがるタイプかどうかを尋ねます。また紹介する時のお気に入りのポイントを聴き出します。
セリフ「この商品・サービスを友人や知人にも紹介するとしたら、どのように紹介しますか」
実際に尋ねる現場では、次々に質問を投げかけると尋問形式になって顧客に嫌がられます。顧客に「いつもありがとうございます」と感謝の言葉を述べながら、自然に話を伺っていくと良いですね。顧客とあなたとのエピソードがあれば、そのエピソードをきっかけに話していくと話が弾みます。
一度にすべて聴こうと思わないことも大切です。顧客の話の流れに合わせて聴いていきましょう。愛用客なのであなたには協力的なはずです。
そしてあなたにとって、予想しない・思いがけない情報が得られたら、これはビッグチャンス。売上10倍のヒントです。
私の尊敬する米国の経営学者ピーター・ドラッカーは、著書『イノベーションと起業家精神』で、イノベーションが起きる機会を書いています。
その例の1つとして、「予期せぬ成功と失敗を利用する」を挙げています。
あなたが予想しない場面・思いがけない情報こそ、あなたの商品・サービスのイノベーションのヒントです。売上10倍のヒントになっていきます。
とはいえ、顧客への切り出し方に悩む方も多いと思います。
私がクライアントに対してコンサルティングを行う際は、次のような方法をとっています。参考にしてみてください。
●インタビューを申し込む
とても親しい愛用客に「インタビューさせてください」と申し入れる方法です。愛用客にどんどんインタビューを申し込んで回答を集めています。
●記述式アンケートをとる
新しい発見を得るためには対話が1番です。チェック方式のアンケートでは新しい発見が難しくなります。顧客には手間がかかりますが、記述式でご記入いただきます。
●インセンティブを配布する
インタビューやアンケートのお礼として、愛用客に次回購入時のサービス券を謝礼としてお渡ししています。謝礼なしでも本音で話してくださる顧客はありがたいですが、できるだけ多くの顧客に聴く方法として行っています。
まずは愛用客に8つの質問を尋ね、明らかにしていきましょう!
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