企業の資金調達の方法は? 効果的な融資と出資の違いとポイント
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企業にとって、資金繰りの問題は最大のリスクといえるだろう。手もとにキャッシュがなければ事業が行えないため、資金繰りの不安は大きな障害となる。中小企業の資金調達は、金融機関から融資を受ける方法や投資家からの支援などだ。ここでは、たくさんある資金調達の方法を紹介しながら、融資と出資の違いとそのポイントを解説していく。

目次

  1. 企業にとって最大のリスクは資金繰り
    1. 資金繰りや資金調達に悩む経営者は多い
    2. 経営はキャッシュ・フローが重視される
  2. 資金調達の方法・種類
    1. 金融機関から融資を受ける
    2. 金融機関からの借入以外の返済不要の資金調達の方法
  3. 融資と出資の違いとそのポイント
    1. 融資は「安全性」、出資は「成長性」が重視される
    2. 企業の成長に応じた使い分けが必要
    3. クラウドファンディング(非投資型と投資型)に注目
  4. 融資と出資は目的や性質を理解し使い分けよう

企業にとって最大のリスクは資金繰り

資金繰りや資金調達に悩む経営者は多い

日本政策金融公庫が発表した「2020年度新規開業実態調査」によると、新型コロナウイルス感染症によるマイナスの影響は「売上減少」が最多だった。回答内訳(複数回答)を見てみると、「売上が予定より減った」が82.3%、「利益が予定より減った」が61.8%となっている。また開業者が現在苦労していることの上位3位は以下の通りだ。

企業の資金調達の方法は? 効果的な融資と出資の違いとポイント

開業時に比べて「従業員の確保」「従業員教育、人材育成」など、人材面の課題に苦労する開業者が多いことが特徴的である。売上増加・利益の増加は企業の永年の課題となり、資金繰りや資金調達の不安が常につきまとっていることがうかがえる。また事業を行ううえで、財務や税務の知識、従業員の確保・人材育成の必要性について経営者が実感することも多い傾向だ。

経営はキャッシュ・フローが重視される

会社経営ではキャッシュ・フローを重視した経営を行うのが基本である。しかし売上や利益を重要視するあまり、キャッシュ・フローを意識できていないこともあるだろう。売上や利益ばかりに目がいきキャッシュ・フローへの意識がおろそかになると企業はたちまち危険な状態に陥ってしまいかねない。帳簿上の売上がいくら増加しても、手もとにキャッシュがなくなれば会社は倒産してしまうのだ。

これがいわゆる黒字倒産である。キャッシュ・フロー計算書は、企業の現金の状況をあらわす財務諸表の一つ。会社の資金繰りを把握するには、現金の増減、つまり「どこで現金が増えてどこで現金が減少したのか」という現金の流れ(キャッシュ・フロー)を把握しなければならない。