この記事は2022年1月28日に「ニッセイ基礎研究所」で公開された「バイデン政権1年の評価-追加経済対策やインフラ投資で成果も党内対立などから支持率は低迷、中間選挙に向け問われる真価」を一部編集し、転載したものです。
要旨
バイデン大統領の就任から1月20日で1年が経過した。バイデン政権は追加経済対策や超党派のインフラ投資法案を成立させたほか、雇用創出などでは一定の成果を挙げた。
一方、新型コロナ対策では就任当初はワクチン接種の進捗がみられたものの、その後はワクチン接種の進捗が緩やかに留まるほか、デルタ株やオミクロン株などの変異株が拡大した結果、新型コロナ感染者数の抑制に成功していない。
また、党内対立から社会保障改革や気候変動を盛り込んだ大型歳出法案(ビルドバックベター法)成立の目途が立っていないほか、インフレ高進に伴い国民の不満が高まるなど、バイデン政権は多くの課題を抱えている。
バイデン大統領の支持率は就任当初は比較的堅調に推移していたものの、夏場以降は不支持率が支持率を上回っており、足元の支持率は戦後の大統領でトランプ前大統領に次いで2番目の低さとなっている。また、政党支持率も21年10月以降は与党民主党が野党共和党を下回る状況となっている。
22年11月に予定されている中間選挙に向けて、バイデン政権は政権運営の立て直しを図りたい所だが、支持率回復の糸口はつかめておらず、中間選挙に敗北し「ねじれ議会」となる可能性が高まっている。その場合、バイデン政権は早くもレイムダック化しよう。