持株会社化とは、事業を行う会社の株式を保有する親会社を作ることだ。その目的は経営の効率化や個人資産と会社資産の分別管理、相続対策など様々である。本連載の第14回「富裕層経営者が実践する『持株会社』の活用」で、一般的な持株会社化の方法について紹介したが、実は2021年4月から「株式交付」という持株会社を作る新たな手法が誕生した。
2021年4月施行の新制度だが、1年経って、活用される事例が増えてきた。そこで本記事では、富裕層向けに資産配分コンサルティングを行なっているウェルス・パートナー代表の世古口氏に、従来の持株会社化との違いや株式交付の効果的な活用方法などについて解説してもらう。
世古口 俊介(せこぐち しゅんすけ)
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイス銀行(クレディ・スイス証券)のプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。2017年8月に内藤忍氏と共同で資産デザインソリューションズを設立し、代表に就任。