本記事は、園原新矢氏の著書『お金を持ち続けられる人になるための「自分資産化計画」』(クロスメディア・パブリッシング)の中から一部を抜粋・編集しています
「お金を持ち続けられる人」に必要な能力 ”投資”
投資の能力について確認していきましょう。
これはあなたの「お金というリソース(資源)」を最大化するために必要な能力です。
キャッシュフローに関する能力が「収支を改善する能力」だとすれば、こちらは「お金でお金を生む能力」といえます。
「お金を持ち続けられる人」に早くなりたいという方にとっては、必要な能力になってきます。
しかし実際には投資というものへの悪いイメージや思い込み、さらには「知らない」という未知から来る恐怖心が拭えないという人も多いと思います。
「お金の不安から解放されたいのですが、絶対に損する投資はしたくないです!」 「投資しなくても解決する方法はありませんか?」 「損をしない投資商品が欲しいです」
このような質問や要望をよく受けます。
キャッシュフローに関する能力さえ磨けば株式や不動産などに投資をしなくても、何十年も時間をかけることで誰でもお金を持ち続けられる人にはなれるでしょう。ですから必ずしも投資をしなくてはいけないということではありません。
しかし「若いうちに、短期間で」というのであれば、投資の能力を習得していく必要があります。
この能力は、あなたのお金を使ってさらにお金を増やし、お金を持ち続けられる人になるスピードを早めてくれるのです。
しかし、当然ながら代わりに差し出すべき対価があります。その対価とは、投資を続ける限り幾度も味わっていかなければならない「損をする」という経験です。
こう話すとやはり、
「損はしたくない」 「リスクは負いたくない」 「他にリスクのない方法はないか」
とほとんどの人に言われます。
多くの人は投資における「リスク」というものを一般的なリスク、つまり「危険なこと」だと認識しているからこそ、そう思ってしまうのでしょう。そもそも投資の世界でのリスクとは「ぶれ幅」のことをいい、「不確実性」のことを指します。
ここで質問です。
定期預金に入れたあなたの預金は1年後いくらになりますか?
「ほとんど変化はないよ」
今は超低金利時代ですから、その通りです。預金は原則元本1,000万円とその利息までは保護され、受け取る金利も決まっています。したがって1年後の収益はある程度予測できる、つまりリターンの「ぶれ幅」が非常に小さいといえます。
ぶれ幅が小さいということは、不確実なことが起きる可能性が低いため「リスクは小さい」と表現します。
こう聞くと一般的なリスクとは少し意味が違いますね。
では通貨や為替はどうでしょうか?
あなたが買った通貨が1ドル100円だったとして1年後にいくらになっているか、予測がつきますか?
これらは1年後にいくらになっているか、断定することは難しいでしょう。1ドル120円になることもあれば、逆に1ドル80円になることもありえます。
円安、円高のどちらにも大きくぶれる可能性がある、つまりリターンの「ぶれ幅」が大きくなります。
ぶれ幅が大きいということは、不確実なことが起きる可能性が高いため「リスクが大きい」と表現されるというわけです。
このように投資の世界での「リスク」は不確実性のことを指しています。
そして「ぶれ幅」が大きいからこそ、その「ぶれる可能性の幅」がそのまま損失や利益となって返ってくるということです。
暗号資産が100倍以上になって「億り人」が出たり、その逆でほとんどの資金を失ってしまったりする人が出るのは「ぶれ幅」が大きい投資先であるからといえます。
ぶれ幅が大きな投資商品は短期間に大きな利益を得ることもありますが、大きく損をする可能性も同様にあるからこそ取引が成立しています。
つまり「損はしたくないけど利益は得たいという取引」は現実には存在しません。
ですが私たちはいつも思うのです。
「今回ばかりは違うんじゃないか」
「自分に来た儲け話は確実に利益がとれるのではないか」と。
仮に利益が実現したとしても、それはたまたまいい目のほうが自分に出ただけだということを忘れないでおきましょう。悪いほうの目も誰かには出ているのですから。そもそも私たちは自分に都合のよい結果が欲しいので、「損をする話」は聞きたくないのです。
「損をする可能性があるからこそ利する」のですが、残念なことに自分の投資のこととなると誰もがこの当然のことを忘れてしまいます。
そして永遠にありもしない「損をしない投資法」を探し続け、皮肉なことにお金持ちになるスピードが最も遅い道を選択してしまうのです。
「損をすることも計算に含めて利益を生む投資を行う」ことでしか、求めている結果は手に入れられません。
その現実を受け入れて投資に向き合う覚悟が必要です。
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