本記事は、園原新矢氏の著書『お金を持ち続けられる人になるための「自分資産化計画」』(クロスメディア・パブリッシング)の中から一部を抜粋・編集しています
「お金を持ち続けられる人」に必要な能力 ”キャッシュフロー”
まずはキャッシュフローに関する能力です。
損益計算書と貸借対照表の読み書き、そしてそれらを管理する能力のことを指しています。
「自分の現在地を把握する〈お金編〉」でも説明しましたが、この能力を身につけることができれば、資産を増やすことはあってもいたずらに減らすことはなくなります。
この能力はお金を持ち続けられる人になるために避けては通れない、いわば「必修科目」といってもよいでしょう。
これを落とすと進級できないよ、というぐらい大事な科目だと思ってください。
キャッシュフローに関する能力には3段階のレベルがあります。
〈レベル1:キャッシュフローが読める〉
キャッシュフロー、つまり「お金の流れ」が読めるようになれば様々なメリットがあります。
投資案件の目利きができるようになる、騙されなくなるといったものです。例えば友人と一緒に事業計画を立てる時など、数年後のリスクや資金計画を読めるようにもなります。また、計画的な預貯金ができたり、無理のない返済計画が立てられるようになります。
ただ闇雲に頑張ろうと思うだけでなく、しっかりと数字を意識して動くことができるようになり、投資をしてから「こんなはずではなかった」と思う確率がグッと下がるはずです。
〈レベル2:キャッシュフローが書ける〉
キャッシュフローの流れまで含めた財務諸表(損益計算書と貸借対照表)を自分自身で書くことができれば、今後誰かに依存することなく自分のお金の状況を把握することができます。今いくら持っているのか、年末までにはどれだけのお金が増減するのか、といった動きまで数値化し確認することができるようになるので、お金の不安が大きく軽減します。読めるだけでも十分ですが、自分で財務諸表を書けるところまでいければレベル2です。こうなると当事者意識も高まって、よりお金を持ち続けたいという思いに駆られるでしょう。
〈レベル3:キャッシュフローを管理できる〉
財務諸表を自分でつくることができても、放置していてはその変化に気づくことができません。財務諸表が読める力、書ける力は少し勉強すれば誰でも習得できるものですが、それらを本当に活用できているかに関しては日々の管理がものをいいます。
「昨年と比べてどうなのか?」 「改善できる箇所は他にないのか?」 「資産配分をどのように変更しようか?」
財務諸表を定期的に振り返り、活用できてこそレベル3に到達できます。レベル3までいけば、高度な戦略や計画を立てることも可能になります。
このようにキャッシュフローに関する能力が向上すればするほど、お金の不安は軽減されていきます。
「何で自分のお財布にはいつもお金がないんだろう?」と悩むこともありません。
一歩ずつ確実にお金の問題から解放されていくでしょう。
税理士や会計士、銀行員や証券マン、経理をしている事務の人、また簿記などを勉強した人などはこの能力を備えているかもしれません。すでにあなたがこの能力を保有している場合、その力を正しく活用することができればお金を持ち続けられる人生を歩めることでしょう。
しかし、もしあなたが「キャッシュフロー」の能力を習得していないというのであれば、あなたの「お金」と「時間」というリソース(資源)を投資して、キャッシュフローに関して真剣に学ぶことをおすすめします。
ただし、わざわざ簿記などの難しい資格まで取得する必要は全くありません。学ぶといっても、「自分自身のお金の流れ」さえ把握できればよいのです。
少なくとも半年間は自分のお金の状況を毎月しっかりと管理し続けていきましょう。
数字を記録し整理していくことは苦痛だと感じるかもしれませんが、それも最初だけ。
すぐに漠然としていたお金の不安が解消され、財務諸表をつけることが楽しくなっていくはずです。モヤがかかった状態だからお金の不安はやってきます。
何にお金を使っているのか、どんな財務状況なのかが自分でわかっていれば、恐怖は小さくなっていくものです。
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