本記事は、中谷昌文氏の著書『なぜ大富豪のサイフは空っぽなのか?』(ビジネス社)の中から一部を抜粋・編集しています

ユダヤ人大富豪に学ぶ資産の防衛術

資産,防衛
(画像=ELUTAS/stock.adobe.com)

お金について知るうえで、ユダヤ人の手法は非常に参考になります。もともとユダヤ人は結束力が強く、自国を持たないまま宗教的・民族的なつながりを維持してきました。過去には迫害された歴史もある中で、世界の金融に大きな影響力を持っています。

誰もが知っているユダヤ系の有名人といえば、ドイツ生まれの物理学者であるアルベルト・アインシュタインや、アメリカの映画監督スティーブン・スピルバーグ、そしてもちろんイエス・キリストもユダヤ人です。

またビジネスの世界では、マクドナルド創業者のレイ・クロックやGoogle創業者のラリー・ペイジ、Facebook(Meta)創業者のマーク・ザッカーバーグ、さらにはスターバックス創業者のハワード・シュルツもユダヤ系です。

金融関連では、ゴールドマン・サックスやロスチャイルドなどもユダヤ系です。統計によると、ユダヤ人は世界で約1,400万人しかいないとされているのですが、さまざまな分野で成功している人がたくさんいるのです。

その他、著名なユダヤ人の例

・ボブ・ディラン(ミュージシャン)
・ハリソン・フォード(映画俳優)
・ジークムント・フロイト(心理学者)
・マイケル・デル(デル創業者)
・アンディ・グローブ(インテル創業者)
・ジョージ・ソロス(投資家)
・ブルームバーグ(ブルームバーグ創業者、政治家)
・ラルフ・ローレン(ラルフローレン創始者)
・リーバイ・ストラウス(リーバイス創業者)

さて、とくにお金に関することでいえば、シェイクスピアの作品『ヴェニスの商人』にも、ユダヤ人(シャイロック)が金貸しとして登場しています。このことは、ユダヤ人とお金との間に古くから密接な関係があったことを教えてくれます。

事実、ユダヤ人はローマ帝国との戦いで故郷を追われてから1948年にイスラエルを建国するまで、自分たちの国家や領土を持たない民族でした。そのため、常識を疑う姿勢を強く持ち、何もないところから価値を生み出す能力に長けています。

それが金融業やイノベーティブな事業へと結びついているとされます。私たちが彼らから学べることはたくさんあります。とくに、島国の中で歴史を重ね、土着文化が根強く残っている日本人は、ユダヤ人からお金について学ぶべきです。

ユダヤ人ならではのお金の哲学

日本人の多くは、現在でもお金に対してマイナスのイメージを抱いています。「お金儲けは卑しい」「お金は汚いもの」という発想を持っている人は、いまだに少なくありません。それが、学校や家庭内、職場等でお金の話をしないことにつながっています。

一方で、お金がないと生活ができないのも事実であり、イメージと必要性の谷間で学びがうまく進んでいません。その点、ユダヤ人は幼い頃からお金に対するマインドを高め、倹約と創造性を持ちながら上手にお金を扱っています。

とくに着目したいのは、「プライベート・バンク」「信託」「財団法人」の活用です。重要なのは、専門家とともに実績のある確かな方法を実践し、着実に次世代へと資産を引き継いでいる点です。

その背景には、ユダヤ人ならではのお金に対する哲学があります。彼らは何世代にもわたって伝承されてきた知恵をもとに莫大な資産を守り、現代に受け継いでいるのです。

なぜ大富豪のサイフは空っぽなのか?
中谷昌文(なかたに・よしふみ)
社会貢献活動家。「国際ビジネスホールディングスグループ」創立者、「国際ビジネス大学校」理事長、特定非営利活動法人「国際コンサルティング協会」理事長などを務める。大学卒業後、教師として勤務した後、渡米して様々な経験を積む。その過程でNIKEシューズと出会い、日本にその魅力を伝える。それらの経験で培った人脈を活かし、2004年に若手起業家が有名実業家から学ぶ場「志魂塾」を立ち上げる。2011年には「国際ビジネス大学校」を創立し、若手起業家の育成に注力。1995年より、難病の子どもを東京ディズニーリゾートにお連れする活動を25年以上続ける傍ら、1994年から個人的に、後に児童養護施設などにランドセルを届ける「タイガーマスク運動 ランドセル基金」の活動もスタート。これまで国内で1,300個のランドセルを手渡しでプレゼント、海外へはメーカーの協力により10万個以上を寄贈。その他、NPO法人や一般社団法人を立ち上げ、営利目的だけでなく「社会に貢献できるビジネスモデル」を国内外に発信している。

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