本記事は、林恭弘氏の著書『自分の気持ちを伝えるコツ50』(総合法令出版)の中から一部を抜粋・編集しています
話をちゃんと聴けていますか?
あなたは本当に相手の話を聴いていますか?
「そりゃあ、きちんと聴いていますよ!」
あなたはこう答えるかもしれません。
でも、実は聴けていない人がほとんどなのです。
意外と周囲の人たちは「話をちっとも聞いてくれない」と、不快感や不満足感を持っている場合も多いものです。
なぜなら、私たちは、人の話を「聴くこと」よりも「解決方法のアドバイス」や「説教めいたこと」をしてしまっていることが多いからです。
ですから、相手は「聴いてもらえなかった」「説教をされた」という印象を持ってしまいます。
あなたには自覚がないのでしょうけれど、結果として「聴けていない人」になっていることが多いのです。
「この人と一緒にいたい。一緒にいると楽しい」と思われる人たちは、「話し上手」ではなく「聴き上手」な人たちです。
ちなみに「聴く」という字には「聞く」もありますね。私がここで使うのは基本的に「聴く」ですが、これは相手の話を積極的に聴く場合に使うものです。コミュニケーションの技法に「傾聴」というものがありますが、そのことも含んでいます。
世の中には、「恋人が話を聴かない!」「上司が聴く耳を持ってくれない!」と「聴いてほしい症候群」の人が、あちこちで見受けられます。
そこで、あなたが「聴く人」になれば、多くの人の「一緒にいたい人」になれるわけです。
話を聴かない人は、周囲から「わがまま」「自分勝手」「がんこ」、または「冷たい」「怖い」「よくわからない」と、あまり評判がよくありません。当然、よい人間関係もつくれません。
あなたは大丈夫ですか? 本当に相手の話を心から聴いていますか?
ポイント
相手の話をきちんと聴く
話の聴き方が、相手の気持ちを左右する
話の聴き方が、相手の気持ちを左右する
日ごろ、あなたは人(相手)の話をどのように聴いていますか?
目の前の相手が悩んでいるとき、困っているとき、ちょっと助けを求めているとき、あなたは、相手のために「よかれと思って」対応すると思います。
しかし、その対応によっては、相手が心を閉ざしてしまったり、うんざりしてしまうことがあるのです。
たとえば、あなたの同僚が仕事の悩みを打ち明けてきたとします。
「あぁ、もう仕事に自信をなくしたよ。辞めようかな……」
このとき、あなたはどんな言葉を返しますか?
次の7つのタイプのうち、あなたがよく使う「必殺技」はありませんか?
(1)診断・提案タイプ 「きっと今は嫌なところしか見えていないからそんな気分になるんじゃない?」 「あと1カ月がんばって、それから結論を出したら?」
(2)同情・はげましタイプ 「わかるわかる! やってられない気分になることってあるもんね」 「今はつらいだろうけど、がんばって!」
(3)質問・尋問タイプ 「今、何年目なの? いつから悩んでるの? 誰か嫌な人でもいるの? 給料はどうなの?」
(4)ごまかし・冗談タイプ 「プライベートが充実していないと仕事でも悩むんだよ。気晴らしに合コンでもしよう!」
(5)命令・脅迫タイプ 「そんなにすぐに結論を出さないで、よく考えてみなよ」 「辞めるのはあなたの自由だけど、あとできっと後悔するよ」
(6)説教・講義タイプ 「仕事なんてそんなものだよ。楽しいことばかりじゃないからお金がもらえるのよ」 「やりがいは、そういう悩みを乗り越えて、感じるものだよ」
(7)非難・侮辱タイプ 「いつもグチばかりね」 「がまんが足りないんじゃないの」
この7つは、誰でもついやってしまうコミュニケーション・タイプです。
人は、身近な人が目の前で困っている、悩んでいると、「解決してあげよう」と思うものです。その気持ちから、これら7つのタイプの対応をしてしまう人がかなり多いです。
しかし、この7つのタイプは、相手との間に「心理的なトラブル」を引き起こしてしまいます。
ポイント 相手の悩みの話にあなたは何と答えますか
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