この記事は2022年8月12日にSBI証券で公開された《「日本株投資戦略」特選》20万円未満で買える8月株主優待銘柄を一部編集し、転載したものです。
《「日本株投資戦略」特選》20万円未満で買える8月株主優待銘柄
2022年8月相場も、ほぼ半分を通過しました。決算発表がほぼ一巡し、当面は発表された業績数字を用い、銘柄間の比較を行いつつ、選別物色が続いていくとみられます。
ただ一方で8月は、配当や株主優待の観点からみると、目を離せない月でもあります。株主優待を実施する予定の企業数は3月の13%程度と決して多くはありませんが、優待内容が多彩な小売・外食企業の権利確定が多くなっているためです。
そこで「日本株投資戦略」では、8月株主優待銘柄についてのチェックを行ってみました。
なお、「8月に権利が確定する株主優待銘柄」のほとんどが2022年8月29日(月)を権利付最終日としています。この場合、2022年8月30日(火)の権利落ち日以降に買い付けができても、配当および株主優待の権利を確保することはできませんので、ご注意ください。
また、権利付最終日に優待実施銘柄を買い、権利落ち日に売ることで、効率良く株主優待の権利獲得を考える投資家の方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここで注意すべき点は、買い付ける時の株価が予想外に高くなったり、売る時の株価が予想外に安くなったりなど、相当額の売却損がでてしまうケースです。
配当取りも同様で、権利落ち日には配当実施分だけ株価が下がることが多くなっています。ノーコスト・ノーリスクで株主優待や配当を享受することは難しいでしょう。
それでも、コストやリスクを軽減して、株主優待の権利を確保する方法はあります。
ひとつは、複数銘柄に投資をし、リスク分散を図る方法です。条件(4)として、株主優待の権利獲得に必要な最低投資金額の条件を20万円未満としているのは、少ない投資金額でも複数銘柄に分散投資できるからです。現物投資が前提ですので、配当実施企業であれば、配当金を享受する楽しみも付加されます。
もうひとつは「つなぎ売り」を活用した取引です。「つなぎ売り」で株主優待をお得に活用する方法については、SBI証券のWebページでご紹介していますので、ご参考ください。ただ、「つなぎ売り」をした場合、信用取引の「売り」により、配当調整金を支払う必要が出て、実質的に配当を受け取れなくなるなど、重要な注意点*(下記脚注の詳細参照)もあります。メリットとデメリットを十分理解した上でのご利用をお願い申し上げます。
今回、「8月株主優待銘柄」として、ご紹介したい銘柄は、以下の条件により抽出された銘柄です。
(1)東証上場銘柄
(2)8月に株主優待の権利確定を予定している2月決算、または8月決算
(3)株主優待の権利付最終日が2022年8月29日(月)
(4)株主優待の権利獲得に必要な最低投資金額が20万円未満
(5)SBI証券の株主優待検索機能で「一般信用」、または「制度信用」対象銘柄>
(6)2022年8月9日(火)までの10営業日で、1営業日あたりの平均売買高が2万株以上
(7)株主優待の権利確保に必要な最短保有期間の条件がない
(8)直前四半期(2022年3~5月期)が営業黒字で、継続企業の前提に疑義が生じていない
(9)信用取引規制が実施されていない(2022年8月10日時点)
(10)SBI証券株主優待検索ページで、閲覧回数の多い上位50銘柄以内(2022年8月5日時点)
すべての条件を満たす銘柄をSBI証券株主優待検索ページで、閲覧回数の多い順(2022年8月5日時点)に並べたものが下の図表です。
*重要な注意点 ~つなぎ売りを利用した場合の「配当金(現物と信用)受け払いの差額」~
・権利付き最終日の大引け時点でつなぎ売りをしている場合、現物については税金が差し引かれた配当金(配当金の約80%)を受取り、一般信用売り建玉については配当落ち調整(配当金の100%)金をお支払いいただきます。したがいまして、配当金の約20%の差額をお客さまにご負担いただくことになります。
・現物株式の配当金は、源泉税(20.315%)が差し引かれた金額で支払われます。
・一般信用売り取引の場合は、配当落ち調整金として配当金の100%をお支払いいただきます。
・権利付き最終売買日と権利落ち日をまたいで信用売建玉がある場合、権利落ち日に予想配当金相当額(予定配当調整金)をあらかじめ委託保証金現金から拘束させていただき、配当金が確定後に拘束金から支払いを行います。信用売建玉に対する支払予定配当金相当額合計(予定配当調整金合計)は、「口座管理」>「信用建余力」>「建余力・追加保証金」の「増担保・配当調整金」に表示させていただいております。
優待内容詳細
以下、一部の銘柄について、ポイントをご紹介します。
クリエイト・レストランツ・ホールディングス(3387)
当社は国内17社、海外5社を有する持株会社で、グループ各社はおもに飲食店を営んでいます。2022年2月期末現在、商業施設を中心に多様なブランドでレストランやフードコートを展開している「CRカテゴリー」の店舗が526店舗(2022年2月期・調整前売上構成比37.8%)、繁華街を中心に「磯丸水産」や「鳥丸商店」他の居酒屋を展開している「SFPカテゴリー」の店舗が13.1%(同売上構成比13.1%)、「専門ブランドカテゴリー」の店舗が241店舗(同売上構成比33.6%)、「海外カテゴリー」が55店舗(同15.8%)となっています。
2023年2月期の会社予想売上高は1,150億円(前期比46.8%増)、営業利益73億円(同4.4%減)となっています。2022年7月14日(木)に発表された2023年2月期第1四半期の売上高は262億円(前年同期比47.9%増)、営業利益51.6億円(同239.8%増)と好調なスタートになりました。
会社予想1株配当は、中間(2023年2月期第2四半期)で3.0円、期末(2023年2月期)で3.0円、通期で6.0円の予定になっています。
2022年8月29日(月)現在の株式に対し、保有株主数に応じ、以下の株主優待が実施される予定です。また、通常は2月も同様の株主優待を実施しています。
- 100株以上200株未満 優待食事券2,000円相当
- 200株以上400株未満 優待食事券4,000円相当
- 400株以上600株未満 優待食事券6,000円相当(1年以上継続保有の場合2,000円相当追加)
- 600株以上1,000株未満 優待食事券8,000円相当(1年以上継続保有の場合2,000円相当追加)
- 1,000株以上3,000株未満 優待食事券10,000円相当(1年以上継続保有の場合2,000円相当追加)
- 3,000株以上6,000株未満 優待食事券16,000円相当(1年以上継続保有の場合4,000円相当追加)
- 6,000株以上9,000株未満 優待食事券24,000円相当(1年以上継続保有の場合6,000円相当追加)
- 9,000株以上 優待食事券30,000円相当(1年以上継続保有の場合8,000円相当追加)
ビックカメラ(3048)
ビックカメラ(連結)は、当社(単独)と子会社22社、関連会社3社から形成されています。当社(単独)は「都市型」×「駅前」×「大型」の45店舗(2021年8月期末)を展開する家電量販店です。
おもな子会社は、全国に140店舗を展開する家電量販店のコジマ(7513)、日本BS放送(9414)、ソフマップ等となっています。
2022年8月期の期首から「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)を適用していますが、ご参考までに前期との比較を単純計算すれば、2022年8月期は売上高8,060億円(前期比3.4%減)、営業利益178億円(同2.3%減)が会社計画です。それに対し、第3四半期累計では、売上高5,965億円(前年同期比6.3%減)、営業利益152億円(同5.6%)減となっています。営業利益の進捗率は85.8%となっており、順調と言えそうです。
1株配当は、中間(2022年8月期第2四半期)で5.0円(実績)、期末(2022年8月期)で10.0円(予定)、通期で15.0円の予定になっています。
2022年8月29日(月)現在の株式に対し、保有株主数に応じ、以下の株主優待が実施される予定です。また、通常は2月も同様の株主優待を実施しています。
- 100株以上500株未満 買物優待券(1,000円)1枚
- 500株以上1,000株未満 買物優待券(1,000円)2枚
- 1,000株以上10,000株未満 買物優待券(1,000円)5枚
- 10,000株以上 買物優待券(1,000円)25枚
なお、1年以上2年未満継続保有(株主名簿に連続3回以上5回未満記載)の株主に対しては1枚、2年以上継続保有(連続5回以上記載)の株主に対しては2枚追加される予定です。
2月も同様の株主優待が予定されていますが、保有株数買物優待券の枚数の組み合わせが異なりますので、別途ご注意ください。
▽当記事の内容について、著者が動画で詳しい解説を行っています。あわせてご視聴ください。