この記事は2022年8月19日(金)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。
2022年8月19日(金)の午前10時すぎに、現役トレーダーの西原宏一さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。
現在の為替相場の傾向や相場観
2022年8月18日(木)のユーロ/米ドルは3日ぶりに反落。ガスTTF価格(=Dutch TTF Natural Gas Futures)は241ユーロ/MWhとなっており、引き続き高値圏で推移していることもユーロの重荷に。今月に入って、欧州の深刻なエネルギー危機を報道する記事は多数。
1.欧州ガス価格、冬季に60%上昇へ 西側の制裁が影響=ガスプロム ロシアの国営ガスプロムは2022年16日(火)、西側諸国の制裁措置により輸出と生産が減少し続けているため、欧州の天然ガス価格は冬季に60%上昇し、1000立方メートル当たり4000ドルを超えるとの見通しを示した。ガスプロムは「欧州のスポットガス価格は1000立方メートル当たり2500ドルに達している。上昇傾向が続けば、控えめに見積もっても冬季には4000ドルを超える」との見通しを示した。
(出所:ロイター -8月16日火曜日-)
2.独ガス代、年6万円超の負担増に ロシア産不足で価格高騰 ロシア産天然ガスの不足による価格高騰に伴い、ドイツでガス料金に上乗せして徴収する賦課金の基準額が15日発表された。欧州メディアによると、平均的な4人家族世帯で年間480ユーロ(約6万5千円)程度の負担増となる。
(出所:共同通信 -8月17日水曜日-)
3.独エネ大手、1兆6千億円赤字 ロシア産天然ガス減響く ドイツのエネルギー大手ユニパーが17日(水)に発表した2022年1~6月期決算は、最終損益が120億ユーロ(約1兆6400億円)超の赤字となった。同社はロシア産天然ガスの最大の輸入業者で、ロシアからの輸送量が6月から大幅削減されたことにより、不足分の調達コストが上昇したことが響いた。ロシア政府系ガスプロムは6月中旬以降、海底パイプライン「ノルドストリーム」を通じてドイツに送るガス輸送量を大幅に削減。現在は供給能力の約2割にとどまる。
(出所:共同通信 -8月17日水曜日-)
現在の為替相場の戦略やスタンス
ユーロクロスは重いままだが、FRB高官らが引き続きインフレに対する懸念を表明したこともあり、対ドルのユーロ/米ドルも久しぶりに、1.0080ドルレベルまで下落。パリティまで再びあと80pipsと迫ってきた。
ユーロ/米ドルのターゲットは、0.9700ドル。ユーロ/米ドルの下落に呼応し、米ドル/円も136円台を回復。米系短期筋は、米ドル/円の140円のドルコールを物色している模様。戦略的には、ユーロ/米ドル、ユーロ/スイスフランのショート継続で臨みたい。
▽ユーロ/米ドルの日足チャート
*:当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。