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株式市場で取引されている個人投資家の方は、アノマリーという言葉を聞いたことがあるだろう。テクニカル分析などでは解説できない、理論的な根拠はないもののよく当たる経験則のことだ。日本で有名なのは週のアノマリーである、つまりは「月曜日株安の金曜日株高」だ。これは2006年に大和総研、2013年にもニッセイ基礎研究所で検証され、結果として出ている。

ここでは『ハロウィーン効果』と呼ばれるアノマリーを取り上げる。これは、ハロウィーンのある10月末に株式を購入し、4月末ほどに売り抜ければ効果的に収益を上げることが出来ると言われるものである。

もともと、米国で有名な格言として「5月に売って、10月買い戻し」というものがある。この説明は比較的容易だ。米国では多くの投資信託が10月に決算を迎える。機関投資家が節税対策などで、このファンドの決算にあわせて株式を売却する傾向があるため、10月は株安になりがちと言うことができる。また、古くは『ブラックマンデー』『ブラックサーズデー』などの世界に大きく影響を与えた変動、昨今でも2008年10月の『リーマン・ブラザーズ倒産』をなど経済界でも歴史に残る暴落をしているのが10月だ。10月は別名「クラッシュの月」とも言われている。この「10月」に起こる様々な暴落に関してはまさにアノマリーであり、上手く説明する術がない。当然、毎年10月に大暴落がおこっているわけでもないが、投資をする上で頭に入れおいて損はないだろう。

それでは、実際に具体例をみてみよう。日経ヴェリタス293号(2013年10月20日号)では『ハロウィーンで買えを信じるか』というコラム記事があり検証されている。

ここでは、日本の日経平均、米国のニューヨークダウなど先進国9つの国や地域の株価指数をもとに、20年間月末に購入して半年後の月末に売り抜けるという投資をした場合のシミュレーションがなされた。結果はカナダと香港以外の7つの市場において、10月末に買付する投資方法がベストと出たのである。さらにニューヨークダウでは1897年から116年間を検証し、10月末の投資方法はおよそ133倍になったとの結果も得た。このことからも10月末に購入するハロウィーン効果というのはまったく度外視できないアノマリーということができる。

さらに今年の大きな特徴は米国の中間選挙が控えていることだ。ストックトレーダーズ・アルマナックの編集長、ジェフリー・ハーシュの調査によると、大統領選挙翌年から2年目のリターンは悪く、就任3年目にはその後の選挙が近づくためにパフォーマンスが善くなる傾向にあるという。就任2年目に行われるのが中間選挙であり、その中間選挙はまさに今年11月に行われる。これはまた、ミッドタームコレクションとも言われ、中間選挙の年の米国株は重いとの経験則は米国であれば多くの投資家が知っている事象です。日本株も当然、この米国株の影響を受けます。

これらから鑑みると、今年の『ハロウィーン効果』は、さらにミッドタームコレクションにも後押しされる可能性があると言える。様々なアノマリーがある中で、今最も注目されるアノマリーと言えるだろう。

(ZUU online)

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