カーボンニュートラルのよくある質問

ここからは、カーボンニュートラルのよくある質問集をまとめた。正しい方向性でプランを立てるためにも、基本的な知識からしっかりと押さえていこう。

Q1.カーボンニュートラルとはどういう意味?

カーボンニュートラルとは、地球温暖化の原因とされる温室効果ガスの排出量と吸収量・除去量を均衡させることである。また、カーボンニュートラルが実現した社会は「脱炭素社会」と呼ばれている。

脱炭素化は世界的な課題であり、日本政府も2050年までに温室効果ガスの全体としての排出量をゼロにする目標を掲げている。

Q2.カーボンニュートラルの始まりは?

世界が環境問題に取り組み始めたのは、1992年の地球サミット(気候変動枠組条約)からとされている。その後、京都議定書の締結などを経て、「カーボンニュートラル」という言葉は21世紀から多く聞かれるようになった。

21世紀に入ってからは各国が政策目標を掲げており、環境意識の高い企業もスローガンなどとして掲げている。

Q3.カーボンニュートラルの仕組みは?

カーボンニュートラルでは、企業の経営活動やヒトの社会生活によって生じた温室効果ガスを、吸収または除去によって減らすことが目指されている。例としては、森林による吸収や土壌への炭素化などが挙げられる。

また、バイオマス燃料などの使用によって、温室効果ガスの排出量自体を減らすことも重要視されている。

Q4.カーボンニュートラルは何をすれば良い?

カーボンニュートラルの取り組み内容は、企業によってさまざまである。製造過程やサプライチェーンの見直しはもちろん、細かい部分では電気やガスの節約、公共交通機関を使った移動(ガソリン使用量の減少)なども含まれる。

Q5.カーボンニュートラルと脱炭素の違いは?

カーボンニュートラルは、温室効果ガスの排出量を全体としてゼロ(中立にする)にする考え方である。「排出量=吸収量+除去量」の構図をイメージすると分かりやすい。

一方で、脱炭素という言葉には「温室効果ガスを完全に取り除く」といった意味合いも含まれる。

Q6.カーボンニュートラルの具体例を知りたい

カーボンニュートラルの例としては、化石燃料から再生可能エネルギーへの転換、カーボンリサイクルの活用、エネルギーの水素化などが挙げられる。また、広義では関連プロジェクトへの寄付や投資なども含まれるが、これらは「カーボンオフセット(※)」に分類されることが多い。

(※)投資や寄付、除去分の購入などを通して、温室効果ガスの排出分を埋め合わせること。

Q7.カーボンニュートラルの難しさやデメリットとは?

カーボンニュートラルを実現するには、再生可能エネルギーや省エネルギーに関する設備や機器が必要になる。これらの導入コストや維持コストは、資金が限られた中小企業にとっては大きな負担となる。

そのため、政府はカーボンニュートラルに取り組む企業に対して、グリーン成長戦略などの支援策を実施している。