この記事は2022年9月28日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「井口喜雄氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=peshkova/stock.adobe.com)

2022年9月28日(水)の午後13時すぎにトレイダーズ証券の井口喜雄さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。

現在の為替相場の傾向や相場観

2022年9月22日(木)、政府・日銀による円買い介入によって、米ドル/円は145円から5円以上の急落をみせたが、2022年9月28日(水)は144円後半で推移しており、ほぼ介入前に戻ってしまっている。

日銀の金融緩和と海外の金融引締めという方向の違いは変わらないため、円買いが肯定されるファンダメンタルズではないだろう。しかし、財務省の外為特会(為替介入の原資)がまだ潤沢であるうちは、円買い介入がちらつくため積極的な円売りが仕掛けづらい。当面は当局の顔色をうかがいながら神経質な展開が続く。

また、英トラス政権が発表した大規模減税・国債増発にマーケットが失望しポンド相場が壊れている。思い切った政策ではあるが、財源はなく、インフレを加速する可能があり、かなりのギャンブルと言えるだろう。

現在の為替相場の戦略やスタンス

ファンダメンタルズを考えれば米ドル/円のロングが正当化できる。145円台では円買い介入がチラつくものの、短期であれば145円の攻防に参加したい。

一方でポンドはダウンサイドを意識。突発的な上昇はあったとしても、トラス政権が政策変更しないのであれば財政とインフレ悪化によるポンド安が継続することをメインシナリオとしたい。

▽米ドル/円の日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

▽英ポンド/米ドルの日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。