この記事は2022年10月5日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=k_yu / stock.adobe.com)

2022年10月5日(水)の午前11時すぎに現役トレーダーの西原宏一さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

西原宏一
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行にて為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラーなどを歴任後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。

現在の為替相場の傾向や相場観

今週に入ってのグローバルな株の上昇は、昨日4日(火)発表になったRBAの利上げの影響もあるため、確認したい。

今回のRBAの利上げは、コンセンサス50bpに対し、25bpの小刻みな利上げというサプライズとなった。この発表は今年のグローバルな株を圧迫してきた積極的な利上げの波が、終わりに近い兆候とするコメントが多数出ている。

RBAの発表は少なくとも2021年終盤から、債券市場の先行指標となっているとブルームバーグは指摘。それはRBAが2011年11月にイールドカーブコントロールを断念したことで、豪国債利回りは急上昇した事がきっかけになっているとしている。豪株式市場の代表的指数であるS&P・ASX200は2020年6月以来の大幅上昇を記録。

一方、このRBAのハト派の影響は一時的だとする見方も多数。しかし2週に渡ってのポンド危機や、クレディ・スイス危機などの噂で週明けしたマーケットにおいて、株が崩れず踏み上がっていることも確か。米国株はどの程度反発が続くのかは不透明なところだが、ドル金利が下がったのは、国連がFRBと各国中銀へ利上げ停止要請をしたとの報道も影響している模様。

米ウォールストリート・ジャーナルは3日(月)、「国際連合(UN)の補助機関である国連貿易開発会議(UNCTAD)はFRBや他の中央銀行に利上げ停止を要請」と報じた。UNCTADはFRBなどの中央銀行が利上げを続ければ、世界経済を景気後退に追い込み、その後長期の停滞に追い込むリスクがあると警告しているという。

現在の為替相場の戦略やスタンス

利上げを停止するのはいいのだが、インフレはどうするのだろうか。ともあれ、RBAの利上げ発表をきっかけに米10年債利回りは前回の4.00%レベルがいったん高値になる可能性もある。

そうであれば、先月までと相違しドル売りに傾斜という展開になる。金利の流れとしてはもう一度上値を試すだろう。戦略的には米ドル/円の戻り売り、豪ドル/米ドルの押し目買いで臨みたい。

▽米ドル/円の月足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

*:当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。