◎女性は人生の円熟期に、平均9年間のおひとりさま生活が待っている

ちなみに、夫婦でご主人が亡くなった後、つまり未亡人。嫌な響きですね。不幸な感じがします。しかし、実際には未亡人になって明るく楽しくなる人も多くいます。統計的には、夫の死後9年ほどの、自由なおひとりさま生活を女性は送ることになります。女性の方が長生きですからね。

つまり、結婚生活をしていても、ひとりでいるより不幸な人。もしくは、離婚はしたものの不幸な結婚生活のおかげで、心に傷を負ったり、経済的な重荷を離婚後も背負い続ける人が多くいます。その人たちもマイナスさまです。そういう人は五万といるのです。

この本の読者には、マイナスさまにはなって欲しくないです。

人生は人それぞれです。こうあるべきもの、っていう定型などありませんし、あっても一人ひとりには関係ありません。政府は年金制度や社会保障制度を維持するためにも、結婚し子どもを産んでもらう少子化対策が大切だとしていますが、大した予算も組まないし、だいたい、社会保障制度や国の経済のために子どもを産めとするのはちょっと筋違いだとも思ってます。

子どものいる女性のひとり親の家庭の多くが貧困家庭に陥ってしまいます。その冷厳な事実があるのに、どんどん子どもを産めと言われてもきっと多くの人が困ってしまうでしょう。日本は第二次世界大戦の後、それまでの大家族制度を改めた。もっと個人の人権と価値観を認める社会に変革しようと歩みを始めたのに、いつの間にか、昭和30年代のサザエさんのような家庭を作りなさいと言っている。

古い今までの社会保障制度に日本国民が合わせた生活や人生を送るのではなく、今の日本人の生活や価値観などに合わせた制度に社会の形を変えていくことを政治家はしなくてはいけないはずです。

まあ、この話はこの辺にしておきますね。社会保障制度のあるべき姿を長々と語りだしそうです。止めときます。

この本は読者の皆さんの生活をもっと良くするための本ですから。

長い夫婦生活の後で、ひとりになった老齢の人たちはどう思ってるのでしょうか。ひとりになってホッとして幸せになる人もいるでしょうし、悲しみに包まれる人もいるでしょう。実際に、長いこと連れ添ってきた妻や夫に先立たれたら、すぐに生きる気力を失って後を追うように亡くなってしまう人も多いものです。

哀しみながらひとりの時間を過ごす人も多い。私はそういう人に出会ったら、声をかけることにしています。あなたが、それほどの寂しさに包まれているということは、かつては、本当に幸せな毎日だったんですね。深くあたたかい生活だったんですね。だから、それを失くして悲しいんですよね。世の中には、そういう時間がなかった人も多いものですよ。悲しいかもしれませんが、幸せですねって。哀しみを感じることは幸せな人生を歩んできた証だと思うからです。

まあ、心の話もここまでにしましょう。幸せでも悲しくても生活していくにはお金が必要です。この話が重要です。