本記事は、堤一隆氏の著書『ULTIMATE SALES アルティメットセールス』(イースト・プレス)の中から一部を抜粋・編集しています。

first impression,第一印象
(画像=Artur/stock.adobe.com)

9割の顧客は無意識のうちに初回で「買う」「買わない」を判断している

人は商品を購入するために店を訪れます。冷やかしは別にして、店舗を訪れた時点で既に購入意思は強いのです。たとえハズレであっても仕方ないと思える安い商品は、手元のスマートフォンを使ってAmazonや楽天で買えば済みます。高額商品であればあるほど「失敗したくない」という意思は強固なのです。

なぜなら営業マンにセールストークをされることが分かっていながら、店舗を訪れるのですから。

リアル店舗を訪れて商品の比較検討に入っていくわけですが、その際に営業マンのサポートは非常に重要になります。購入意思が固ければなおさらです。同時に営業マンへの期待値がかなり高くなっているのは当然です。

そのタイミングこそが「初回」なのです。顧客の購入ボルテージが最も高い来店時というタイミングでの対応こそが最大のチャンスの場なのです。

購入意思の強い顧客の質問は、非常に初歩的なものから専門的なものまで多岐にわたります。質問に対してピントのズレた回答を一度でもしようものなら顧客は2度と質問をしてこないばかりか、その店舗での購入そのものをやめてしまうでしょう。

あなたも対応された営業マンがタイプでなかった、合わなかったなどの理由で購入意欲が一気にトーンダウンしてしまった経験はないでしょうか?

逆に購入意思はそれほど強くはなかったが、営業マンがとても爽やかで、説明も分かりやすく、引き込まれるように話を聞いていたら、いつの間にか契約をしてしまった経験もあるでしょう。

一見、些細な事の様に思えますが、初回接客(営業)においてはこの小さな蓄積が非常に重要となるのです。そこに気づけない営業マンは、初回接客(営業)で顧客に、購入意思があることさえ分からないまま去られていくのです。

営業マンは、来店する顧客にとって初回接客(営業)=最終決定である事を常に念頭に置いて初回接客(営業)に臨むことができれば、成約率は劇的に上がります。

そう考えると、初回接客(営業)や初回訪問へ向かうにあたり、今まで以上に緊張感が出てくると思いませんか?

最終決定の場に向かうわけですから当然です。身なりの細かいところが今までより気になったり、どんな角度から質問が出てきても答えられるように細かい資料等の準備をする気になりますよね。

同時に「ワクワク感」も出てきませんか? この「ワクワク感」こそが、初回接客(営業)を迎えるにあたっての正しい感覚なのです。

これが常に出てくれば、あなたは9割の顧客に初回で選ばれる営業マンになれるでしょう!

凡人営業とトップセールスの違い

巷に溢れている営業向けのビジネス書や社内の「顧客攻略マニュアル」には、どうしたら購入意思のない顧客を買う気にさせるかなどの「説得営業」に関してのコンテンツがなぜか多く、またそのようなコンテンツを読み漁る営業マンが多いのも事実です。

「ムダです」

購入意思のない顧客に高い商品を購入してもらうことなど、どんなに優秀な営業マンでも無理なのです。購入意思のない顧客に対しての成功率は、普段の10パーセント以下に落ちるのではないでしょうか。いやそれ以上かもしれませんね。洗脳でもすれば別かもしれませんが……。

何を伝えたいか分かりますか?

購入意思のない顧客には時間と労力を一切かけないでください。

そして購入意思のある顧客に当たった初回の激熱瞬間を絶対に逃さないのです。

凡人営業は、購入意思のある顧客にも、ない顧客にも同じように時間と労力をかけます。当然購入意思のない顧客に対し、限られた時間と労力を費したにもかかわらず去られてしまいます。そうすると肝心の購入意思のある顧客には、残り半分の時間と労力しかかけられず中途半端な営業しかできなかった結果、逃げられてしまうのです。

そもそも、購入意思があるのかないのかを初回で見抜けず、営業活動を継続していったらどうでしょうか? 事前資料を作成したり、ムダなアポイントメントを取得するために貴重な時間と労力を無限に投入することになるのです。それなのにいつまでたっても売れない。これは営業の「センス」なのでしょうか?

一方で、アルティメットセールス(トップセールス)は、意外と暇そうにしています。激熱顧客が来たときのために予定を空け、アポを取得し、クロージング(心の契約)を迎えてあっという間に契約をして、休日は趣味を楽しんだり、大切な家族との時間を過ごしたりしているのです。

まとめます。アルティメットセールスは、初回で購入意思のある顧客を見極めて一点集中しているだけです。「見極め」「一点集中」、ただこれができているか、できていないかの違いです。それは持って生まれたセンスなどではありません。

下手なロープレをするよりも、「見極め」に意識が集中できれば、新人営業でも一定の成績が出せるでしょう。なぜなら、その先の「一点集中」のタイミングで上司に同席してもらえばいいだけだからです。

クロージングは上司の力を借りて、その手法をあなたも実戦で身につければいいだけです。当然契約率は高くなります。上司のあなたへの評価も上がるでしょう。

ULTIMATE SALES アルティメットセールス
堤一隆
大手ハウスメーカー 営業所所長。大学卒業後に22歳で入社した会社で、ゴルフ会員権売買営業を5年間経験。27歳の時に自身の営業スキルアップを目指し、あえて営業の世界で最も難しいとされる住宅営業の世界に飛び込む。2年目から全国営業ランキングトップ50の常連となる。「人生で最も高い商品を楽して売る」「営業成績に短期間で結果を出す」を追求するため、自己啓発書・ビジネス書を10年に渡り700冊以上を読破。
「潜在意識を活用した目標達成技術」「目標をブレイクダウンしたルーティンワークの作成」
「最短で成果を上げる技術」など独自の目標達成メソッドを確立。シンプルで速攻性のあるノウハウを駆使し、短期間で成果を出すことに成功。

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