本記事は、堤一隆氏の著書『ULTIMATE SALES アルティメットセールス』(イースト・プレス)の中から一部を抜粋・編集しています。
不変的な営業テクニック
補講では、ビジネス・自己啓発関係の本によく出てくる用語で、今回のテーマに合致したりヒントになったりするものをいくつかピックアップしてみました。自分自身に落とし込むのはもちろん、指導する際にも使える用語、営業テクニックを非常に分かりやすく、かつシンプルに紹介します。
今回の内容と重なる箇所もありますが、そういった箇所は重要項目だと理解し、あなたのビジネスにカスタマイズして活用いただけたらと思います。
以下の内容は、住宅営業マン向けにカスタマイズしておりますのでご了承ください。
是非とも今後のあなたの営業スキル向上、そしてマネージャーの方などは研修講師等の際に活用していただけたらと思います。
2:6:2(2対6対2)の法則
社内の人材を成績で見ると、上位(会社の利益を自分の給与以上に出している人)が2割、真ん中(給与分程度の利益は出している平均的な人)は6割、下位(自分の給与分の働きもしていない人)が2割になるという法則です。
是非とも上位2割のビジネスマンになりたいものですね。
8:2(8対2)の法則
別名「パレートの法則」「2対8の法則」とも言い、パレートは、この法則を発見したイタリアの経済学者です。具体的には、2割の主力商品が全体売上の8割を占めている、もしくは売上の8割を2割の優良な顧客が生み出している、という法則です。あなたの会社を見渡してみるとそんな感じがしませんか?
BANTC(バントシー)
営業面談でのヒアリング項目である「Budget(予算)」「Authority(決裁者)」「Needs(必要性)」「Timing(時期)」「Competitor(競合)」の頭文字を指します。最近の営業本でよく取り上げられていることがあるのでご紹介します。この手法は、初回アプローチには必要不可欠なので参考にしてみてください。
いくら自社商品が競合他社と比べて競争優位性があろうと、バントシーをヒアリングしないと、ターゲットなのかどうかが判断できず成約率は下がります。初回アプローチにおけるヒアリングをスキーム化するだけで成約率が格段に向上します。
Budget(予算)
ここが肝となります。予算は躊躇せずに初回アプローチ段階で聞いてください。同時に業界の最終価格(値引き後の価格)と、自社の価格を伝えてください。初回アプローチでの極端な価格差の提示は、正しい価格を伝えることで顧客の信頼度は倍増します。
同時に、顧客のイメージしていた金額と、業界基準との落としどころを探ることができます。住宅営業を例にすると、この後の資金計画で、顧客の年収から借入限度額等の個人情報を導き出してあげれば決まりです。
Authority(決裁者)
目の前の顧客が決裁者かどうかを、初回アプローチで把握しましょう。初回でせっかく意気投合し手ごたえがあったにもかかわらず、後日「今回はご縁がなかったことで」と言われるケースがあります。こちらも住宅営業の場合で話します。
- (1)営業がいないところで決済者(親)からダメ出しをされた
(2)顧客から決済者(親)へ「こんな住宅だったよ」とアバウトに報告され、ちゃんと伝わっていない
(3)間違った内容が伝わる。
このようなことが起こらないように、初回アプローチで「今回家を建てるにあたって、誰か相談される方はいらっしゃいますか?」と必ず確認しましょう。
その際、「いや、自分で決めるよ」と言われれば目の前の顧客が決裁者ですし、もし「親父に相談するよ」と言われた場合には、「ではせっかくなので、次回はお父様にもご同席いただきたいので、その前にご挨拶にお伺いさせて頂いてもよろしいでしょうか?」など初回アプローチ完結を決裁者同席時に切り替えてください。
この状況では、初回アプローチでの完結は潔く諦めて良いと思います。
Needs(必要性)
「顧客が住宅に関して抱えている問題」や「お客様が求めている家」が当社の住宅で解決できるのか? ということがあります。住宅購入にあたってお金の心配をしている人に、一生懸命に自社アプローチをしても嫌われるだけです。
難しいのは、顧客が必要性に気づいていないというケースです。その場合は、「観察→仮説→ヒアリング→スポット提案」を繰り返し、顧客の問題点や趣向を導き出して予算の話に持ちこむことが一番の近道となります。
Timing(時期)
せっかく初回アプローチで素晴らしい提案ができても「非常に勉強になりました。じゃあ2年後にまた来ますね」では意味がありません。
やはり「観察→仮説→ヒアリング→スポット提案」を繰り返して、顧客の購入希望時期が不変のもの(ほとんどが変わります)なのかそうでないのかを探り、漠然としたものであればすぐに購入するメリット(金利・時事ネタ・国策)を提案して、考え方を修正していきます。
Competitor(競合)
「気に入っているメーカーや気になっているメーカーは見学されましたか?」とまずは躊躇せずに聞いてください。何も知らずに、自己満足な提案をしても、競合他社をかなり気に入っていた場合はすべてムダになります。
具体的な競合他社名や金額なども遠慮せずに聞きましょう。まずは相手を十分に知るためのヒアリングが重要です。
初回アプローチで競合について何一つ教えてくれないケースは珍しい(大抵の場合は少し教えてくれる)と思いますが、教えてくれない場合は、顧客が心を閉ざしていることも含めて商談が成約しないことが多いです。
また、顧客の方が、我々よりも競合他社について詳しい場合もあるので、日ごろから十分な競合他社研究は必要です。
営業担当はお客様に嫌われたくないという感情が強く、何かにつけて遠慮しがちです。
しかし、良い提案をすることは、あなたに時間をくれた顧客から最大の信頼を勝ち取る千載一遇のチャンスなのです。躊躇せずに踏み込んだヒアリングを心がけてください。
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