本記事は、堤一隆氏の著書『ULTIMATE SALES アルティメットセールス』(イースト・プレス)の中から一部を抜粋・編集しています。

ビジネス
(画像=maru54/stock.adobe.com)

顧客の心のハードルが最も低いのはいつか

「営業マンあるある」で、初めて顧客と対面した時には、お互いのことをよく分かっていないので「こんな質問をしたら嫌われるかな?」と考え、うわべだけの質問が多くなり、本当にヒアリングしたい競合他社情報や顧客情報の他、本来顧客に伝えるべき競合他社の長所・短所などが話せなかった経験はないでしょうか。

そんなあなたは、顧客に対しての考え方を少し変えてみると良いかもしれません。

実は、「顧客の心のハードルが一番低いのは初回」なのです。

どういうことかと言うと、一般的な消費者心理として、「まさか初回で契約するわけないよ」「まさか初回で契約を迫ってくるわけないよな」等、高額商品になればなるほど顧客の初回での心構えは「甘い」のです。

つまり「答えを出す必要性に迫られない」ため、ある意味、適当な状態にあるのです。

ですから競合他社の状況を聞いても素直に答えてくれるし、逆に競合他社の悪口を言ってもそんなに印象は悪くなりません。

これが逆に、何度も面談を重ねて商談が佳境に入ってくると、顧客の心理的ハードルは一気に上がります。競合他社の状況は、全く教えてくれなくなり、また悪口を言おうものなら完全に信頼を失います。

これらは一般的な消費者心理としては当然の流れです。「答えを出す必要性に迫られた」場合の消費者は、「絶対に失敗したくない」「絶対に損したくない」「相手主導で進められたくない」などの、強迫観念にとらわれています。

その結果、無意識に情報を隠そうとするのです。情報を開示した場合、足元を見られると錯覚して、極端に恐れることが多くなります。また、少しでも気になる競合他社があった場合に、そのメーカーを誹謗中傷しようものなら、まるで顧客自身が否定されたような錯覚に陥るのです。

スポーツに例えると分かりやすいです。ゴルフ初心者が初めてクラブに触れた時、適当に打ってみたらナイスショットが出ることが多いのです。これは余計な事を考えずに、成功する必要が全くない場面で体の力が適度に抜けるなど偶然が重なって起きる事象のようです。

それが2度目から、経験者に教えてもらったり、上手くなりたいと考えたりで体がガチガチになり、ナイスショットが出なくなってしまうのです。

これと同じように、初回の顧客心理は契約する気がない(契約を迫られると思っていない)ので、体の力が適度に抜かれ、なんでも素直に答えてくれる確率がかなり高いのです。逆に佳境を迎えた顧客心理は、「騙されたくない」「損したくない」「駆け引きに勝ちたい」などの強迫観念にがんじがらめにされ、体にガチガチに力が入っている状態と同じなのです。

もうお分かりですね。だから「顧客の心のハードルが一番低いのは初回接客(営業)」なのです。

あなたもこのチャンスを逃さないように、明日から初回接客(営業)で、なんでもストレートに聞いてみましょう。そして核心をついてしまいましょう。

まるで魔法にかかったように話がトントン拍子に進んでいくことでしょう!

営業マンは見た目で判断されている

あなたは「清潔感がありビシッとした服装の営業マン」と「だらしない服装をした営業マン」のどちらから話を聞きたいですか?「そんなの清潔感があって、ビシッとした服装の営業マンに決まっているだろ」という声が聞こえてきます。これには非常に論理的な理由があるのです。

メラビアンの法則を紹介します。これは、好意・反感などの態度や感情を表すコミュニケーションを扱う実験によって生み出された法則です。感情や態度について矛盾したメッセージが発せられた場合に相手が重視するのは、話の内容などの言語情報が7%、口調や話の早さなどの聴覚情報が38%、見た目などの視覚情報が55%の割合であると言われています。

この割合から「7─38─55のルール」や「言語情報=Verbal」「聴覚情報=Vocal」「視覚情報=Visual」の頭文字を取って「3Vの法則」とも言われています。

また、人は出会ってから6秒ほどで、見た目・第一印象で相手のことをジャッジしているというのです。見た目と一言でいっても、何も「顔」だけを見ているわけではありません。

実は、「服装」を見ているのです。同僚を見て「こいつなんだか今日はビシッとしているな」と思うことはありませんか? ピンポイントに顔だけが好きというわけではなく、全体の雰囲気を見て「かっこいいな」と思っていませんか?

特に営業マンの場合、服装は重要なパーツです。見た目を変えるだけで、だいぶ印象は変わってくるのです。

ナポレオンの有名な言葉をご存知でしょうか? 「人は、まとった制服のしもべになる」というものです。

人は身だしなみを整えると、それだけでなんだか自信が湧いてきます。そして周囲もきちんとした見た目の人には好感を持ち、信頼してくれます。

例えば制服警官を見るだけで、なんだか少し緊張したりもしますよね。

自信を持ちたい人、信頼を勝ち取りたい人、好感を持たれたい人は、まず身なりを整えることが今すぐできることです。

服装だけでこれらを手に入れることが簡単にできるなら、営業マンとして儲けものです。

誰でも、やる気次第ですぐにできるので、是非試してみてください!

ULTIMATE SALES アルティメットセールス
堤一隆
大手ハウスメーカー 営業所所長。大学卒業後に22歳で入社した会社で、ゴルフ会員権売買営業を5年間経験。27歳の時に自身の営業スキルアップを目指し、あえて営業の世界で最も難しいとされる住宅営業の世界に飛び込む。2年目から全国営業ランキングトップ50の常連となる。「人生で最も高い商品を楽して売る」「営業成績に短期間で結果を出す」を追求するため、自己啓発書・ビジネス書を10年に渡り700冊以上を読破。
「潜在意識を活用した目標達成技術」「目標をブレイクダウンしたルーティンワークの作成」
「最短で成果を上げる技術」など独自の目標達成メソッドを確立。シンプルで速攻性のあるノウハウを駆使し、短期間で成果を出すことに成功。

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