本記事は、堤一隆氏の著書『ULTIMATE SALES アルティメットセールス』(イースト・プレス)の中から一部を抜粋・編集しています。
提案は3案まで
「ゴルディロックス効果」という言葉を聞いたことはありますか? ゴルディロックス効果とは、3つある選択肢のうち真ん中が選ばれやすいという心理傾向の事です。欧米でよく使われている販売心理学で、営業マンの交渉術の基本となっています。そんな心理学から生まれた、ゴルディロックス効果を応用していきたいと思います。
こんな経験はありませんか?
マクドナルドのメニューは、S・M・Lサイズが一般的ですよね? TシャツなどもS・M・Lサイズが一般的ですよね?
このような、3パターンから選ぶ心理は、世間一般でよく使われているのです。この大中小、松竹梅の三つからどれを選ぶかという実験を行った結果、2:5:3の割合で中や竹といった真ん中の品物が選ばれることが多かったのです。
そういえば……と心当たりはありませんか? この真ん中を選ぶ心理はマーケティング等では、当たり前のように応用されているのです。
人は、選択肢が2つだと7割の人が安いものを選び、選択肢が3つだと真ん中を選ぶことが多いということが心理学の実験から分かっています。
これを応用してみると、販売したい価格帯の商品を真ん中に持ってきて、格安商品と高額商品を同時に提示します。そうすると、5割の人は真ん中を選びます。残りの3割が高いものを選んでくれるので、目標より販売価格が上がるという結果になります。
土地を販売する際に「高額物件」→「販売したい物件」→「格安物件」の順に回ると成約率が上がるという例もあるようです。
多くの選択肢を見せると、一般的に顧客は心理的に迷ってしまい、なかなか決断をする事が難しくなります。最悪の場合は帰ってしまうこともあります。
顧客への提案は3案までに絞込み、心理現象を効果的に使ってみましょう!
是非試してみてください。
真逆の提案で打開する
あなたは、顧客との商談で、相手に迷いが生じて、どうにも動けなくなってしまった場面に遭遇した経験はありませんか?
そんな時に、あなたはどんな方法で事態の打開を図りますか?
例えば、注文住宅のプラン打ち合わせをしている時に、決められた坪数の中でリビング+畳コーナーをつくる場合と、リビング+独立和室を確保する場合の2パターンについて、究極の選択を迫られた時は顧客も営業マンも非常に悩みます。
それぞれの利用価値や将来の事などを何度も話し合いながら、どちらが最善の選択なのかを考えに考えるのですが、時に思考停止に陥ることがあります。
こうなってしまうと、打ち合わせは難航していきます。
最悪の場合は、家づくりそのものがどうでもよくなってしまい、商談がキャンセルになることも稀にあるのです。
そんな時にとっておきの方法があります。
今回のような場合は、畳コーナーのケースと、独立和室のケースのどちらもやめて、広いリビングルーム1室にしてしまう提案をしてみるのです。
このような突拍子もない提案をすると、大半の顧客は「えっ?」というような顔をします。しかしながら怒る顧客はまずいません。
考えに考えても答えが出ない究極の状態になると、180度違う提案は意表を突く事になり、凝り固まった思考を砕いてくれる役割を担うようです。
10回に1回は意表を突いた提案に決まる事もありますが、大概のケースですと、もともとの選択肢のうちのどちらかを選ぶパターンが多い様に感じます。
あんなにも悩んでいたのに、「こっちでいいです」というような感じでいとも簡単に決まってしまうのです。顧客自身も、あれほど悩んでいたことが嘘みたいに笑顔で納得して決まるのです。
一度思考をぐちゃぐちゃにしてしまうことにより、頭が再生され、再度整い、決断が出せる体制が整うのではないのかと思います。
あなたも「顧客が迷って思考が止まってしまった場合は、真逆の提案で打開する」是非とも試してみてください!
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