本記事は、松橋良紀氏の著書『聞き方の一流、二流、三流』(明日香出版社)の中から一部を抜粋・編集しています

三流は、ほめられたら否定し、二流は、受け取るだけ、一流は、どうする?

聞き方の一流、二流、三流
(画像=nenetus/stock.adobe.com)

他人からほめられたとき、あなたはどんな反応をしていますか?

三流は、人からほめられたとき、即座に否定します。

相手「Hさんの社内報のコラム、いつもすごいボリュームあっておもしろいですよね~」

三流「いえいえ、そんなことありませんよ。私はみなさんと違って暇ですからね。書く時間ぐらいはたっぷりあります」

相手「えーと、そんなことないですよ(自虐されるならほめるんじゃなかった……)」

私の友人Kさんがこんな体験を話してくれました。

「知人のJさんが、講演会で発表したときに、美しい声で素敵だったんですよ。それで
『Jさんが一声出しただけで、場の空気が変わりましたね! ほんとに素敵な声です』
とほめたら、Jさん、なんと言ったと思います?
『自分の声が美しいなんて思ったことはないけど。Kさん、耳、大丈夫ですか?』
それ以来、もう二度とJさんには関わらないようにしようと思いました」

このように否定してしまう人の深層心理は、自己肯定感が低く、自己否定感が強いので、ほめ言葉を受け取れず、自虐ネタも口にします。

しかし、相手のほめ言葉を否定するのは、相手に対しての配慮がゼロといえます。ほめ言葉を否定するということは、相手の意見を否定しているのと同じです。

ほめる相手は、喜んでほしくて、笑顔を見たくてほめ言葉を口にしているのです。ですから、期待に応えて喜んであげるのが大人のマナーというものです。

二流は、否定はしませんが、受け取るだけです。

相手「○○さんの社内報のコラム、いつもすごいボリュームあっておもしろいですよね~」

二流「そうですか。ありがとうございます」

相手「……」

相手がほめ言葉を送ってくれたら、まずそれを受け取ることが大事です。ですがそれだけだと物足りなさが残ります。せっかくほめ言葉をプレゼントしてくれたのですから、よりお互いにとって良い方向に持っていくべきです。

一流は、ほめられたら、相手を喜ばせるように話を持っていきます。

相手「Hさんの社内報のコラム、いつもすごいボリュームあって面白いですよね~」

一流「ありがとうございます。ちゃんと読んでくださってるんですね。そうやって社内報の細かいところまで目を通す仕事熱心さが、Mさんの業績につながってるんですよね。さすがです」

相手「え~、そんなふうに言ってくださってありがとうございます! うれしいです!」

このように、相手をほめ返します。ほめ返されたら、相手も喜んでくれて話も弾みます。ほめられたときは、ぜひ秘技「ほめ返し」を使ってみてください。

Road to Executive
一流は、自然にほめ返しをする

ほめ言葉を自虐して返すのは配慮なく否定するのと同じ!
聞き方の一流、二流、三流
松橋良紀(まつはし・よしのり)
一般社団法人日本聴き方協会 代表理事
本作が30冊目のコミュニケーション心理著者。


青森からギタリストを目指して上京するが、夢破れて営業の世界へ。
営業の世界でもコミュ障のため、3年以上、クビギリギリの生活となる。
しかし、心理学で聞き方の技術を学ぶと、1ヶ月後に全国NO.1セールスに大躍進。
それ以来、30年以上にわたり、聞き方のスキルを探求し続けてきた聞き方の専門家。

『あたりまえだけどなかなかできない 聞き方のルール (アスカビジネス)』
『「聞き上手」はなぜ給料が高いのか』
『話さなくても相手がどんどんしゃべりだす 「聞くだけ」会話術――気まずい沈黙も味方につける6つのレッスン』
など、聞き方スキルを紹介する書籍を多数執筆。

聞き方スキル、雑談スキル、心理スキルをテーマとした研修やセミナーで活躍中。
・一般社団法人日本聴き方協会サイト
 https://kikikata.jp/
・コミュニケーション総合研究所
 https://nlp-oneness.com

※画像をクリックするとAmazonに飛びます
ZUU online library
(※画像をクリックするとZUU online libraryに飛びます)