本記事は、松橋良紀氏の著書『聞き方の一流、二流、三流』(明日香出版社)の中から一部を抜粋・編集しています
三流は、文章での会話を苦手とし、二流は、文章で共感し、一流は、どうする?
最近の私の仕事は、メールやメッセンジャーなどでの文章でのやり取りがほとんどです。Zoomを使うこともありますが、98%はメッセージのやり取りがほとんど。
文章のみでのコミュニケーションが中心の時代でも、聞くスキルを使うのは同じです。
独りよがりなコミュニケーションをする人は、相手の意見や質問には反応せず、自分の言いたいことをかぶせます。相手のメッセージをスルーするつもりはないのでしょうが、言いたいことで頭が一杯になり、それを送ることに集中してしまうのでしょう。会話が成り立たず、とても相手にストレスを与えてしまいます。
それに対して一流は、相手の言葉をきちんと聞きます。
具体的に何をするのかというと、対面するときと同じことをします。
友人「ごめんね、夜遅くにメッセージをしちゃって。今日、ちょっとしたミスをしただけなのに、上司から『気を抜いてるんじゃないぞ』って言われてさ。落ち込んでいるんだ」
自分「え? ちょっとしたミスだけで?」
友人「そうそう! 『たるんでいるからだ』なんて言うんだよ。ひどいと思わない?」
自分「たるんでる?? それはひどいわ~!」
友人「今日は特別忙しくて、ついついチェックが甘くなったら、ミスしちゃったんだよね」
自分「うんうん、忙しいときには、ミスすることだってあるよね」
友人「そうなんだよ! そのあたりの配慮くらいしてほしい」
自分「それはそうだ! 上司なら配慮してほしいね」
友人「そうそう、ほんとそう思う……」
(少し時間が空いて落ち着いた様子)
友人「とはいえ、チェックが甘かった自分が悪いんだからしょうがない。でも聞いてもらったら、スッキリしたから、明日もがんばるよ」
自分「うん! がんばって!」
このやり取りの結果、メッセージのやりとりでも友人は自分の言いたいことをわかってもらえたと感じたようで、気持ちが落ち着いたようです。
このように、メッセージのやりとりでも相手の言葉を丁寧に拾ってオウム返しをしましょう。
さらに、感嘆詞や共感の言葉を加えて返すことで、深いつながりが築けるでしょう。
相手の気持ちを汲み取りながらのコミュニケーションは、文章でも対面でも同じです。文章だけのコミュニケーションでも、対面のときと同じく聞き方が大事です。
- Road to Executive
-
一流は、文章でも対面と同じように聞く
相手の感情を汲み取ってオウム返しをするだけで大きな貢献になる
本作が30冊目のコミュニケーション心理著者。
青森からギタリストを目指して上京するが、夢破れて営業の世界へ。
営業の世界でもコミュ障のため、3年以上、クビギリギリの生活となる。
しかし、心理学で聞き方の技術を学ぶと、1ヶ月後に全国NO.1セールスに大躍進。
それ以来、30年以上にわたり、聞き方のスキルを探求し続けてきた聞き方の専門家。
『あたりまえだけどなかなかできない 聞き方のルール (アスカビジネス)』
『「聞き上手」はなぜ給料が高いのか』
『話さなくても相手がどんどんしゃべりだす 「聞くだけ」会話術――気まずい沈黙も味方につける6つのレッスン』
など、聞き方スキルを紹介する書籍を多数執筆。
聞き方スキル、雑談スキル、心理スキルをテーマとした研修やセミナーで活躍中。
・一般社団法人日本聴き方協会サイト
https://kikikata.jp/
・コミュニケーション総合研究所
https://nlp-oneness.com
※画像をクリックするとAmazonに飛びます