本記事は、木下勝寿氏の著書『時間最短化、成果最大化の法則 ── 1日1話インストールする“できる人”の思考アルゴリズム』(ダイヤモンド社)の中から一部を抜粋・編集しています。

毎回必ず達成できる人がやっている
達成確率100%キープの法則

ビジネス,達成,思考
(画像=NAMPIX/stock.adobe.com)

達成できない人が毎回やっている「運任せ」のギャンブル

目標に対して「達成できたりできなかったりする人」と「毎回必ず達成できる人」がいる。

この両者は、まったく違った「思考アルゴリズム」を持っている。

まず、「達成できたりできなかったりする人」から見ていこう。

「作戦Aがうまくいけば目標達成できるので、必ずやります」という人は多い。

これを深読みすると、「作戦Aがうまくいかなければ達成できない」ということになる。「必ずやります」は、「作戦Aを必ずやる」という意味で、「必ず達成する」という意味ではない。

この考え方だと、達成できたとしても「たまたま」で、次回も達成できるかどうかは「運任せ」になる。そして、達成できたりできなかったりする人はこう考える。

「今回、達成できなかったのは作戦Aがうまくいかなかったからだが、原因は外部要因であり、自分の責任ではない。自分はやるべきことはすべてやったので悔いはない」

つまり「運頼み」「他責」「自己満足」思考になってしまう。

「◯◯がうまくいけば達成できる」というのは戦略ではなく"ギャンブル"なのだ。

毎回必ず達成できる人の「思考アルゴリズム」と3つの手順

一方、「毎回必ず達成できる人」はこんな「思考アルゴリズム」を持っている。

作戦Aがうまくいく確率は25%(感覚値でOK)なので、残り75%を埋める作戦Bを並行して用意する。あるいはそれぞれ25%の作戦C、D、Eの3つを用意し、残り75%を埋める。

毎回必ず達成できる人の「必ずやる」は「達成確率の合計100%分の作戦を用意してやる」ということ。よって、「実業務」前の「作戦づくり」に多くの時間と労力をかける。

作戦を考える場合は次の3つの順序で行う。


1. 「着眼法」で考える。他者のうまくいっている方法を検索したり、うまくいっている人に聞いたりする

2. 作戦を「2段階」で考える。最初から予算や権限の枠内で考えたら脳内に制限がかかって作戦の幅が狭くなる。
そこで、まず難易度の高い課題に対し、「もし予算や権限無制限ならどんな方法で実現できるか」を考える。もし、イメージが湧きにくいときは「予算1億~10億円。社長と同じ権限を持っているならどうするか」と考えてみる。
次に、その考えついた方法を「予算や権限的に現実的なところまでどう絞り込むか」を考える

3. 日々状況が変わることで「足りなくなった達成確率」を確認しながら、足りない分の作戦を補充する。作戦が失敗してから急に「新しい作戦」を考えると大変なので、常に100%分を用意しておく。するとダメになった分だけを追加すればいい

"1日1回の戦略改善"で60回戦略を見直した人の強み

進捗状況を確認しながら、「このままでは達成できない」とわかったときは、すぐに現業務をやめ、戦略の練り直しを行う。

このままでは達成できないことがわかっていながら、今のやり方を続けても意味がない。

戦略を立て直すときは、いったんすべてやめ、ゼロから作戦をつくり直す。

今までの延長線上でがんばるのではなく、いったんリセットして「最終目的逆算思考」で最適な方法を探し直すのだ。

このとき、今までやってきた業務がムダになってもいい。

戦略がないと、「今やっている業務」をよりがんばろうとする。

戦略があると、「今、何をやっているか」ではなく、常に「目標達成に最も可能性が高い業務」に切り替えようとする。よって戦略がないときに比べ、生まれる作戦の量が圧倒的に増え、質も圧倒的に高くなる。

一番大事なのは、最後の1日まであきらめないことだ。

あきらめずに考え続け、1日1回の戦略改善を行えば、最低でも1か月の営業日で20回、3か月なら60回も戦略を見直すことができる。

「作戦Aがダメだったからうまくいかなかった。でも自分はやりきったから満足という人」と、「作戦Aがダメだとわかり、60回も戦略を見直して目標達成した人」とでは、わずか3か月で実力に大きな差がついてしまうのは当然だろう。

=時間最短化、成果最大化の法則
木下勝寿
株式会社北の達人コーポレーション(東証プライム上場)代表取締役社長/株式会社エフエム・ノースウエーブ取締役会長。
1968年神戸生まれ。大学在学中に学生企業を経験し、卒業後は株式会社リクルートで勤務。2002年、eコマース企業「株式会社北の達人コーポレーション」設立。独自のWEBマーケティングと管理会計による経営手法で東証プライム上場を成し遂げ、一代で時価総額1000億円企業に。フォーブス アジア「アジアの優良中小企業ベスト200」を4度受賞。東洋経済オンライン「市場が評価した経営者ランキング2019」1位。日本政府より紺綬褒章8回受章。著書に『売上最小化、利益最大化の法則』(ダイヤモンド社)、『ファンダメンタルズ×テクニカルマーケティング』(実業之日本社)がある。

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