本記事は、木下勝寿氏の著書『時間最短化、成果最大化の法則 ── 1日1話インストールする“できる人”の思考アルゴリズム』(ダイヤモンド社)の中から一部を抜粋・編集しています。

成功する人は必ず知っている
10回に1回の法則

成功
(画像=tadamichi/stock.adobe.com)

10回やると、必ず1回成功できる理由

「本当にすぐやれば成果が出るのか?」
「やるべきことをじっくり選んだほうがいいのでは?」
「きちんと考えてから行動すべきでは?」

もしかしたら、「すぐやること」と「成果が出ること」が結びつかないかもしれない。

だが、「10回に1回の法則」を知ると、あなたも考え方が変わるかもしれない。

私はあるとき、すごい法則を発見した。

世の中は「10回本気でやれば、誰でも1回成功するようにできている」という法則だ。

私はこれまで「10回本気でチャレンジ」して成功していない人を見たことがない。

それまで、うまくいくかどうかは能力に関係していると思っていた。

ところが、能力が高かろうが低かろうが、すべての人が「本気で10回やれば9回失敗、1回成功」という比率になっていることがわかった。

さらに研究すると、人の3倍成功している人は、人より成功確率が3倍高いわけではなく、実行回数が3倍というだけなのだとわかった。

島田紳助とユニクロ社長の教え

かつて多数の大ヒット番組のMCをしていた島田紳助氏は、「どうやったら自分の番組をヒットさせることができるのか」、日々研究を重ねたという。

その答えは「数多くの番組に出る」ことだったと複数のメディアで述べている。

「どの番組が当たるかはわからない。でも数多く出れば一定の確率でヒットする。だから考えるのをやめ、とにかく数多くの番組に出られるようにした」というのだ。

よって、ヒットさせる努力の方向性を、「面白い企画を考える」から「多くの番組に起用されるために、番組スタッフにとって使いやすいタレントになる」に切り替えたのだ。

具体的には、1回1回の番組の収録前に必ず予習をしていく。

また、いくら大御所になっても、番組には絶対に遅刻しないよう、深酒しない、番組スタッフへの気遣いを忘れない、交流に手を抜かないという基礎的なことに真剣に取り組んだ。

その結果、多くの番組に出ることができ、多くのヒット番組を生み出した。

柳井正氏(ファーストリテイリング会長兼社長)は著書『一勝九敗』(新潮社)の中で、

「10回新しいことを始めれば9回は失敗する。しかし、1の成功の積み重ねが今日のユニクロをつくっている」

という趣旨のことを述べている。

世の中は平等だ。

「10回やれば誰でも1回成功できる」ようになっている。

成功したければ、今すぐ、本気で10回やってみればいい。

それに気づいてからの私は、すぐ着手し、黙々と10回やってみた。

すると、最初の9回失敗しても、最後の1回で必ず成功した。

もちろん毎回、「今回こそ成功しよう」と思ってチャレンジするのだが、結果的にそうなる。

ただ、「最初の9回は失敗」が前提なので、失敗しても大きなショックはなく、淡々と「10回目は成功する」と自分に言い聞かせながら、次々と小さな夢をかなえてきた。

なぜ、10回やる前にやめてしまうのか?

こんなに簡単な成功法則があるのに、なぜ多くの人が成功できないのか?

理由は2つある。1つは、考えすぎてすぐやれないこと。

もう1つは、10回やる前にやめてしまうこと。

10回やれば誰でも成功するのに、ほとんどの人は10回やる前にやめてしまう。

やめてしまう理由は3つある。

1. 心が折れる

最初から1回でうまくいくと思っていると、2、3回失敗するとショックが大きい。すぐ「もう無理」とあきらめてしまう。

こんなとき、一喜一憂せず、「どんな天才でも最初の9回は失敗する」「どんな凡才でも10回目は必ず成功する」と淡々と10回続ける。すると10回目で必ずうまくいく。

2. 時間切れ

仕事には締切がある。1、2回失敗するとスケジュールが狂い、10回やる前にタイムリミットがきてしまう。なにごとも10回やらないと成果が出ないので、スケジュールを想定より10倍時間がかかる前提で組み、早目にスタートすべきである。

3. 資金切れ

資金不足になると、やめざるをえなくなる。どんなにすばらしいアイデア、天才的事業家でも、最初の9回は必ず失敗する。

多額の資金を一度に投入すると、致命傷を負う。そうならないために、10回に分けて投資する。

成功したければ必ず10回やること。そのために、

「最初の9回は必ず失敗する心構え」
「10回やる前提でのスケジュール」
「10回実験する前提での資金配分」

でやることだ。そうすれば、あなたは必ず成功する。

=時間最短化、成果最大化の法則
木下勝寿
株式会社北の達人コーポレーション(東証プライム上場)代表取締役社長/株式会社エフエム・ノースウエーブ取締役会長。
1968年神戸生まれ。大学在学中に学生企業を経験し、卒業後は株式会社リクルートで勤務。2002年、eコマース企業「株式会社北の達人コーポレーション」設立。独自のWEBマーケティングと管理会計による経営手法で東証プライム上場を成し遂げ、一代で時価総額1000億円企業に。フォーブス アジア「アジアの優良中小企業ベスト200」を4度受賞。東洋経済オンライン「市場が評価した経営者ランキング2019」1位。日本政府より紺綬褒章8回受章。著書に『売上最小化、利益最大化の法則』(ダイヤモンド社)、『ファンダメンタルズ×テクニカルマーケティング』(実業之日本社)がある。

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