本記事は、木下勝寿氏の著書『時間最短化、成果最大化の法則 ── 1日1話インストールする“できる人”の思考アルゴリズム』(ダイヤモンド社)の中から一部を抜粋・編集しています。

1年以内に1億円の利益を稼ぐ方法
1時間集中すれば必ず答えが出る法則

集中
(画像=Liubomir/stock.adobe.com)

1年以内に1億円の利益を稼ぐ方法を1時間真剣に考える

ほとんどの問題は1時間集中して考えれば、必ず答えが出る。

「どうしていいかわからない」と悩むのは、途中で考えるのをやめてしまうからだ。

たとえば、「1年以内に1億円の利益を稼ぐ方法を1時間集中して考えてほしい」というお題が出たらどうだろう?

条件は、法律に抵触せず、人に迷惑をかけなければ何をやってもいい。

私は何度かこの問題をグループで考えてみたが、本気で集中してやれば実行できる

レベルのアイデアが出てくるものだ。

まず、単純なのは「報酬型」だ。

これはどんな職業でもいいので、自ら働いて1億円を稼ぐというものだ。

ただこの場合、スキルや才能が必要で、今そのスキルがなければ1年以内に1億円を稼ぐのは難しい。

そこで「利ザヤ型」が浮上する。

これは商品・サービスを開発したり、仕入れたりして販売し、売上から原価を引いたものが手取り収入(利益)となる。

「利ザヤ型」の場合、最低1億円以上の売上が必要となる。

1億円への6つの課題を解決しよう

グループワークでは次のようなステップで考えていった。

課題(1) まずは利益を度外視してもいいので、1億円以上の売上を上げる方法とは?

  • 年商1億円の会社を買収
  • 年間売上1億円の営業マンをスカウト
  • 年間売上1億円の人と結婚

こんな感じで荒唐無稽でもいいので、とにかく理論上可能な方法を探す。

すると、

  • 原価1億円のものを1億円で売る。ネットでパソコンを原価で販売し、「価格.com」(株式会社カカクコム運営)に出せば必ず売れる。

という少し実現性の見える案が出てくる。

課題(2) 前述のパソコン販売の場合、売上は1億円だが粗利が出ていない。粗利を出すにはどうするか?

  • パソコンを安く自作して売る。売価2割引、粗利2割、原価6割で粗利は2,000万円上がる。

課題(3) どうやってつくるか?

  • 1台10万円のパソコンを2割引で1,000台販売し、年間売上8,000万円にする
  • そのためには1日3台製造(1,000台÷365日=1日約3台)しなくてはいけないが、自分1人ではつくれない
  • そこでアルバイトを3人入れて1人1日1台つくらせ、自分は受注処理、発送、ホームページの運営を行う。この場合、アルバイト代は、月収15万円×3人×12か月=540万円粗利2,000万円−アルバイト代540万円=1460万円(利益)

課題(4) 原料費の資金をどうするか?

  • パソコン製造の原料費は前払い。原料費は年6,000万円(月500万円)なので初月販売分の製造原価として500万円を調達する必要がある
  • つまり、銀行から500万円借りればいい

課題(5) 銀行が500万円貸してくれない場合、どうするか?

  • 貸してくれる銀行を探す
  • 500万円投資すれば、1年で1,460万円の利益を生み出す超高収益事業であることを説明して出資を募る

課題(6) 1,460万円の利益を生み出したが、1億円に8,540万円不足しているのをどうするか?

  • パソコン事業の売上を7億円にまで伸ばす
  • 同じようなやり方でパソコン以外の分野にあと「6つ」進出する

これによってめでたく1億円を稼ぐことができた。

当社の採用問題「1年間で1000万円稼ぐにはどうしたらいいか?」

以前、当社の採用試験で、「1年間で1,000万円稼ぐにはどうしたらいいか?」と出題していた時期があった。

多くの人は「思いつきません」と言って考えるのをやめてしまう。

「株をやります」と言う人もいた。

「株で1,000万円稼ぐ方法を知っているのですか?」と聞くと、そこで黙ってしまった。

「友達に相談する」と言う人もいた。

「友達は1,000万円稼ぐ方法を知っているのですか?」と聞くと、「わかりません」と言って黙ってしまった。

そんな中、家庭教師をやっている人が、

「時給2,000円のオンライン家庭教師を1日14時間、358日やれば1,000万円稼げます」

と言った。

もちろん、そのまま実行とはいかないが、最後まであきらめずにアイデアを絞り出し、実行可能なレベルにまで落とし込めるかが重要だ。

答えが見つからない理由は思考を止めているからだ。

1時間集中して考えれば必ず方法は見つかる。

こうした例に限らず、「こりゃ無理」と思う課題をあえてチームで話し合ってみよう。

すると、さまざまな課題解決法を見つけることができる。

「できそうもない」とあきらめていたことでも、1時間きちんと考えれば、答えが必ず見つかるものだ。

=時間最短化、成果最大化の法則
木下勝寿
株式会社北の達人コーポレーション(東証プライム上場)代表取締役社長/株式会社エフエム・ノースウエーブ取締役会長。
1968年神戸生まれ。大学在学中に学生企業を経験し、卒業後は株式会社リクルートで勤務。2002年、eコマース企業「株式会社北の達人コーポレーション」設立。独自のWEBマーケティングと管理会計による経営手法で東証プライム上場を成し遂げ、一代で時価総額1000億円企業に。フォーブス アジア「アジアの優良中小企業ベスト200」を4度受賞。東洋経済オンライン「市場が評価した経営者ランキング2019」1位。日本政府より紺綬褒章8回受章。著書に『売上最小化、利益最大化の法則』(ダイヤモンド社)、『ファンダメンタルズ×テクニカルマーケティング』(実業之日本社)がある。

※画像をクリックするとAmazonに飛びます
ZUU online library
(※画像をクリックするとZUU online libraryに飛びます)