本記事は、木下勝寿氏の著書『時間最短化、成果最大化の法則 ── 1日1話インストールする“できる人”の思考アルゴリズム』(ダイヤモンド社)の中から一部を抜粋・編集しています。

行動量が10倍アップする
ピッパの法則

ビジネスマン,ポジティブ
(画像=Paylessimages/stock.adobe.com)

「足かせ」さえ外せば、すぐに劇的な成果を上げられる

あなたはすごい長所を持っている。

すばらしい武器を持っている。

ただ、誰もが恵まれた長所を持っているのに、成果が出ないと悩んでいる。

「なぜだろう?」と多くの人が思っているだろう。

実は、そこには明快な理由がある。

成果が出ない人は長所や能力がないのではない。

たとえるなら、俊足ランナーの両足にはめられた「足かせ」のようなものがあるのだ。

「足かせ」があるのであなたの長所が発揮されず、「宝の持ち腐れ」に終わっているのだ。

実にもったいない。

でも、あなたは「足かせ」さえ外せば、すぐに劇的な成果を上げられる。

「成功しそうだけどしない私」と「できる社長」の決定的な違い

実際、私は「すぐやる人の思考アルゴリズム」を身につけたことで、足かせを外せた経験がある。

大学卒業後、リクルートの大阪・難波営業所で求人雑誌の広告営業をやっていた頃の話だ。当時はお世辞にも優秀ではなかった。悪い意味で「意識が高いだけの人」だったのだろう。セミナーに行ったり、ビジネス書を買い込んだりして、頭の中にたくさんのビジネス知識を蓄積していった。

そして、「仕事柄、数百人もの経営者と話をしてみたが、自分は対等に話ができる。社長といっても考えていることは自分と大して変わらない。学べることはあまりなさそうだ」と思っていた。

だが、それはすぐに大きな勘違いだと気づいた。

確かに、いろいろな社長と同レベルで話せているかもしれないが、立場がまるで違う。

目の前の社長は成功しているが、自分は何も成し遂げていない一介の平社員。

その差はどこからくるのか?

あるとき、話す内容は同じなのに、実行に移している率がまったく違うことに気づいた。

商談中に社長と「こんなことをやったら面白いですね」と盛り上がる。

しかし、私は話だけで何も行動しない。だが、社長たちは、次に会ったとき必ず何か実行したうえで、「君のアイデアのこれはよかったけど、これはダメだった」と言ってくる。

ここで気づいた。世の中には3種類の人がいる。

「成功する人」
「成功しそうだけれどしない人」
「成功しない人」だ。

「成功しそうだけれどしない人」は、話す内容は「成功する人」と同じだが、行動は「成功しない人」と同じ。どれだけ立派なことを話しても行動しなければ成果は出ない。

私はそれだったのだ。

一方、成功している社長はアイデアを10個思いついたら、10個実行していた。

自分は10個思いついても、せいぜい1個しか実行していなかった。

これが、当時の私のウィークポイントだった。

今日から行動量が10倍アップする「ピッパの法則」とは?

私はそれまで「忙しいから実行できない」と思っていた。

だが、よく考えると、社長のほうがよっぽど忙しい。

そこで成功している社長たちに「なぜすぐに行動できるのか」を聞いてみた。

ピッと思いついたらパッとやるんだ。
君と話していて、こんなことをやったら面白いと感じる。
君が帰った瞬間にやる。それだけだ」

これが拙著『売上最小化、利益最大化の法則』の最後に書いた「ピッパの法則」だ。

やるべきことが起こったとき、後でやろう、いつかやろうではなく、その場ですぐやるか、すぐできない場合はいつやるかをその場で決める。すると、タスクを滞らせず、次々にこなしていけるのでキャパが激増する。

それ以来、私は「ピッパの法則」を実践し始めた。

簡単なものはパッと実行! そうでないものは「いつやるか」パッとすぐ決め、スケジュール帳に書き込む。すると、1日10個アイデアが思いついたら、10個全部実行できるようになった。以前は10個思いついても1個しか実行できなかったから、行動量は10倍になったわけだ。

「思考アルゴリズム」が大きく変わり始めた記念すべき第一法則

パッとやることで仕事のキャパは、10倍に増えた。

それまでは商談を終えると会社に戻ってから次の提案を考えていたが、商談しながら次の提案を考えるようになった。すると、商談終了時に次のアポも取れるようになった。

こうなると、未解決案件を抱えることがほぼなくなった。すると、す〜っと心が軽くなり、常に頭の中もクリアな状態を保てるようになった。

「ピッパの法則」をYouTubeの人気コンテンツ「新R25ワイドショー」の「『これを実践してから明らかに仕事の効率が上がった』と感じている"ワークハック"を教えてください」で紹介したところ、300回答の中の「ベストアンサー」に選ばれた。

だが、これは単なる「ワークハック」の域にとどまらない。

「ピッパの法則」のおかげで私は「足かせ」が外れ、すぐやる人へ変身。次々と成果を上げられるようになった。

「ピッパの法則」は、自分の中の「思考アルゴリズム」が大きく変わり始めた記念すべき第一法則。だからこそ一番手に紹介したのだ。

新人と150倍の差!
「成果=スキル×思考アルゴリズム」の黄金法則

当時の私には、「着手が遅い」「スピード感がない」という大きな弱点があった。

でも、自分では「着手が遅い」とも「スピード感がない」とも思っていなかった。

やっかいなことに、「考え方のクセ=思考アルゴリズム」は自覚できないものだ。

自覚できないものは変えられないし、人に教えられない。

そんなとき、「ピッパの法則」を知り、自らの「思考アルゴリズム」を修正した途端、成果がグングン上がり始めた。一体全体、私の中で何が起きたのだろうか?

これが「成果=スキル×思考アルゴリズム」の黄金法則である。

スキルは新人と成果を上げ続ける人で3倍くらいの差がある。逆にいうと、スキルは3倍程度しか差はつかない。

一方、「思考アルゴリズム」は50倍もの差がある。

新人は、スキル1×「思考アルゴリズム」1=成果1。スキルを3倍に上げたベテランも、「思考アルゴリズム」が変わらなければ、スキル3×「思考アルゴリズム」1=成果3で3倍程度しか差は出ない。

しかし、現実には、同じ仕事をしていても、成果の差が10倍や20倍というのはざらにある。万年平社員の人と、若くして幹部に昇格する人が出す成果や会社への貢献度は10倍や20倍の差ではすまない。

成果を上げ続ける人は、スキル3×「思考アルゴリズム」50=成果150。

つまり、150倍の差をもって現実世界に立ち現れるのだ(図表)。

時間最短化、成果最大化の法則
(画像=時間最短化、成果最大化の法則)

今すぐ短時間で成果を上げ続ける人になりたいなら、そのための「考え方のクセ=思考アルゴリズム」を身につけることが重要だ。

スキルは一朝一夕には身につかない。

だが、「思考アルゴリズム」は「考え方」なので、すぐに変えることができるし、1回インストールすれば、すぐ、何度でも使える。

一度インストールしてしまえば、もうやる気(モチベーション)に頼らなくていい。

さあ、今すぐ「思考アルゴリズム」をインストールして、すぐやる人になろう。

=時間最短化、成果最大化の法則
木下勝寿
株式会社北の達人コーポレーション(東証プライム上場)代表取締役社長/株式会社エフエム・ノースウエーブ取締役会長。
1968年神戸生まれ。大学在学中に学生企業を経験し、卒業後は株式会社リクルートで勤務。2002年、eコマース企業「株式会社北の達人コーポレーション」設立。独自のWEBマーケティングと管理会計による経営手法で東証プライム上場を成し遂げ、一代で時価総額1,000億円企業に。フォーブス アジア「アジアの優良中小企業ベスト200」を4度受賞。東洋経済オンライン「市場が評価した経営者ランキング2019」1位。日本政府より紺綬褒章8回受章。著書に『売上最小化、利益最大化の法則』(ダイヤモンド社)、『ファンダメンタルズ×テクニカルマーケティング』(実業之日本社)がある。

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