債務超過を解消するには?
債務超過の状態にある企業は、赤字体質であることが多い。まずは、経営の改善で黒字体質に変えることが第一だ。ただ、これは長期間をかけて徐々に債務超過を解消していく方法である。
短期的には、経営者自らの資産を活用するほか、出資者を募って増資する方法がある。また、土地や有価証券など保有する資産の時価が簿価を上回り、含み益がある場合は、売却して借入金の返済に充てることで債務超過を圧縮し解消につなげられる。
事業不振で「赤字続き」
単年度の収支がマイナスとなる赤字が続けば、どうなってしまうだろうか。赤字が続けば、現預金がどんどん減少していき、運転資金が不足するだろう。また、純資産が取り崩されていく結果、いずれは債務超過に陥ってしまう。倒産の危険性が高まるわけだ。
本業が不振で赤字続き
赤字が続く理由の第一は、売上高が少ないことだろう。利益といっても、損益計算書上では5つ(売上総利益・営業利益・経常利益・税引前当期純利益・当期純利益)あるが、売上高から費用などを引いて算出される。
会計年度で赤字だったか黒字だったかは、最終的に当期純利益がプラスかマイナスかによるが、そもそも売上高がなければ、利益が残らなくない。本業が不振で売上高が少なければ、赤字が続くのは当然だろう。
費用がかさんで赤字続き
5つある利益のうち、本業のもうけを示す営業利益は、「売上高-売上原価-販売費・一般管理費」で算出される。
売上原価は、売れた商品などの仕入れにかかった費用のことだ。売上原価がかさんでいれば、営業利益は減ってしまう。また、広告費など販売するためにかけた費用である販売費が多くても、営業利益は減る。同じように、人件費や事務所の光熱費など販売には関係ない費用である一般管理費利益がふくらんでも、営業利益は少なくなってしまう。
赤字が続く状態を避けるためには?
まずは赤字になるのを防ぐためにも、キャッシュフロー計算書を作成してみてほしい。上場企業は、損益計算書、貸借対照表とともに作成し、公開することが義務づけられている決算書だ。中小企業には義務づけられていないが、資金の増減の分析が可能になる。この決算書からわかるのは、次の3つだ。
・営業活動によるキャッシュフロー……本業である営業活動によるもの
・投資活動によるキャッシュフロー……固定資産の取得や有価証券の購入によるもの
・財務活動によるキャッシュフロー……借入金の調達などによるもの
このうち、営業活動によるキャッシュフローが減少傾向であれば、本業が下降傾向にあるとみなすことができ、経営改善に向けて動き始める必要があると判断できる。