採用計画を立てて企業が求める人物像を具体化する

企業が従業員を募集する際には、どのような人物像を集めるのかを具体的にし、人材採用のプロモーションを使い分けることが重要となる。それには、ただ募集するというのではなく採用計画を立てて戦略的に人材採用を行わなければならない。

通常の採用活動(オーディション型の人材採用プロモーション)

採用広告や採用説明会などを開いて広く従業員を募集し、候補者が応募するのを待つ従来の採用方法がオーディション型の人材採用プロモーションである。採用計画は、企業理念や求める人物像に合った人物を採用するための活動方針、採用スケジュールなどについて細かく決めていくことが必要だ。

応募者のなかから採用者を選考するといっても、新卒者を採用するには1年以上前から計画し、広く募集することが求められる。そのため多くの企業が苦戦しているように応募者を集めるのは、一筋縄ではいかないだろう。

大学の学部や専攻している課程など企業が求める人材は、営業職か技術職によっても異なる点も押さえておきたい。ターゲットとなる人材が異なれば採用計画の段階でアプローチする対象も異なり、選考基準も異なる。

中小企業では、経験者などの即戦力を募集することが多いため、新卒だけではなく中途採用者を募集することも少なくない。オーディション型の人材採用プロモーションは、新卒・中途採用を問わず、広く募集することができるため、経験者を中途採用する際にも有効だ。

しかし多数にアプローチできる半面、応募者への対応や多人数との面接・採用試験の実施など効率性は落ちることになる。特に中小企業では、広告や宣伝にかかる費用や方法が限られるため、企業に特徴がないと応募する人が現れないこともあるため、注意が必要だ。

スカウト型の人材採用プロモーション

新卒採用時におけるリクルーター制度やOB訪問のように、企業から候補者にアプローチする採用方法がスカウト型の人材採用プロモーションである。スカウト型の人材採用プロモーションでは、採用計画で求める人物像を特に重視してピンポイントで対象者を選定していく。

そのため広く募集し自ら応募してくるオーディション型の人材採用プロモーションよりも効率的にアプローチできる。しかし辞退率(対象者から断られる確率)が高い点がデメリットだ。自社に適した人材を探すため、新卒に限らずヘッドハンティングのように有能な人材を引き抜くときにも使われる。

急成長をしている新興企業などでは多く用いられる傾向だ。成功すれば有能な人材を得ることができる半面、労働条件や待遇面はよく検討しなければならない。

スカウト型の人材採用プロモーションでは、宣伝や広告などのコストがかからず、効率性でもオーディション型の人材採用プロモーションよりも優れている。しかし採用担当者の人数にもよるが、窓口は狭く接触できる人数は限られるだろう。