台湾ウイスキーの特徴

台湾で造られるウイスキーは、他の国で造られるウイスキーとは違う個性がはっきりと感じられます。
これは、台湾の温暖な気候がウイスキーの熟成に影響を及ぼしているからです。

台湾のウイスキーに共通する特徴にはどんなものがあるのか、詳しく見ていきましょう。

温暖な気候により熟成が早く進む

台湾の気候はスコットランドやアイルランドと違い、とても温暖です。
温暖な気候はウイスキーの熟成スピードを早め、樽から得られるフレーバーも強くなります。
そのせいか、渋味までは行きませんが樽香が強いのも特徴です。

筆者が台湾のウイスキーを飲んだときは、3年や4年程度の短熟の銘柄だとしても、スコッチでいう12年熟成かそれ以上の熟成感を感じました。

トロピカルなフルーティさがある

台湾のウイスキーに共通するフレーバーに、「トロピカルなフルーティさ」があります。
どの銘柄を飲んでもマンゴーやバナナ、パイナップルなどの南国系のフルーツの風味を感じるのが特徴です。
爽やかさというよりは甘さに寄ったフルーティさで、あたたかみのある味わいが楽しめます。

台湾ウイスキーのおすすめの飲み方

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(画像=「whiskeen」より引用)

台湾のウイスキーは、他の国で造られるウイスキーとは違った個性があります。
その個性をはっきりと感じるためにも、まずはストレートで味わうのがおすすめです。

ロックや水割りにすると、酸味や樽香の渋味が立ってしまうものが多いため、人によって好みが分かれるなと感じました。

ソーダ割りはトロピカルなフルーティさとソーダの爽快感がマッチするため、比較的飲みやすい印象です。

まずは味わいがダイレクトに感じられるストレートで味わってみて、それから別の飲み方を試していきましょう。

台湾ウイスキーの歴史

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(画像=「whiskeen」より引用)

台湾のウイスキーは、スコットランドやアイルランドなど、他の有名なウイスキー生産国と比べると、歴史が浅い点が特徴です。
そんな歴史の浅い台湾ウイスキーですが、どのようにして世界に認知されるようになったのか、詳しく解説していきます。

WTO(世界貿易機関)への加盟をきっかけにマーケットが拡大

2002年になるまでは、アルコールの生産は国営のタバコ・アルコールの製造業者「TTL(Taiwan Tobacco and Liquor Corporation)」が独占的に行っていました。

しかし、2002年に台湾がWTO(世界貿易機関)に加盟したのをきっかけに、アルコール市場の自由化が進みます。

そのタイミングで、食品・飲料メーカーの「金車(キングカー)」がウイスキー造りに乗り出し、2005年に「カバラン」を立ち上げました。
独占的な酒類販売の廃止によってマーケットが拡大し、これをきっかけに台湾のウイスキー産業が発展し始めます。

台湾がウイスキーの原産国であると世界的に認知され始める

台湾が世界中にウイスキー生産国だと認知され始めたのは、世界的に権威のあるウイスキー年鑑「モルト・ウイスキー・イヤー・ブック」の2010年版に、台湾がウイスキーの産地として掲載されたことがきっかけです。

「カバラン」初のウイスキーがリリースされたのは2008年で、2010年に至るまでに発売されたウイスキーは、たったの7つ。

2010年時点ではまだ「オマー」のウイスキーはリリースされていないため、「カバラン」の知名度だけで世界的なウイスキー生産国だと知らしめたことになります。

台湾ウイスキーが世界的に評価され始める

台湾のウイスキーが世界的に高い評価を得るのに、時間はかかりませんでした。

2014年に開催された国際的なウイスキーコンペティションにて、「カバラン」「オマー」両ブランドのウイスキーが受賞をしてからというもの、毎年のように輝かしい結果を残しています。
今までにリリースされた台湾ウイスキーの中で、コンペティションで受賞歴のないものはほとんどありません。
それだけ台湾で造られるウイスキーは質の高いものとなっています。