この記事は2023年4月28日(金)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。

FXトレード戦略
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2023年4月28日(金)の午前8時すぎに、現役トレーダーの西原宏一さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

西原宏一
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行にて為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラーなどを歴任後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。

現在の為替相場の傾向や相場観

昨日27日(木)の米市場では、FRBにとって判断が難しい経済指標が発表された。まず、1~3月の米実質GDP速報値は前期比年率1.1%増と、前期の2.6%増から伸びが減速。ところが、個人消費支出(PCE)価格指数は食品とエネルギーを除くコアベースで4.9%上昇と市場予想を上回り、1年ぶりの高い伸びとなっている。

一方、新規失業保険申請件数は予想に反して3週間ぶりに減少。景気減速と高インフレを示す経済指標が発表され、来週のFOMCにとって判断を難しくする指標の発表となっている。米国株は上昇。S&P500種は1月以来の大幅高。メタなどのハイテク企業の決算を好感して買いが膨らんだ展開。ドルインデックスはもみあい。

現在の為替相場の戦略やスタンス

本日28日(金)は日銀の金融政策決定会合。議長を務める植田総裁は今月9日の就任以降の記者会見や国会答弁などで、YCCを含めた金融緩和政策を継続する重要性を繰り返し訴えている。そのためコンセンサスはイールドカーブ・コントロール(長短金利操作、YCC)政策を含む現行の金融緩和政策の継続。

ただ、黒田東彦前総裁の下で金融緩和策の修正というサプライズがあっただけに警戒感も根強く残っている。マーケットでは植田総裁のもとでは、金融政策を読みやすくなるのではという期待が高まっているが、先月までの今年の日銀に関してはヘッドラインで乱高下する傾向があるため、円がらみのポジションは慎重に。

本日28日(金)から来週にかけて重要なイベントが続く。まず本日28日(金)の日銀金融政策決定会合。次は、日本時間5月4日(木)未明のFOMC。コンセンサスは25bpの利上げ。そしてそれが最後の利上げになる可能性もある。

一方、5月4日(木)にはECBも控えている。コンセンサスは25bpの利上げだが、50bpの利上げ予測も増えている。為替市場にとって極めて重要なイベントが続くので、大きなチャンスではあるが乱高下にまきこまれないように気をつけたいところ。

一連の金融政策決定会合を見極める必要があるが、基本スタンスはユーロ/米ドルの押し目買い、米ドル/スイスフランの戻り売りで臨みたい。

▽ユーロ/米ドルの日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

*:当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。