水泳を趣味にする経営者のメリット
経営者は仕事のストレスが大きい。水泳はストレス解消に役立つだけでなく、リフレッシュ効果もある。ここでは、水泳を趣味にする経営者のメリットと成功事例を紹介していく。
経営者にとってのストレス解消と水泳の関係性
経営者は多くのストレスを抱えがちだ。水泳は、心と体を同時にリフレッシュできる貴重な時間を提供してくれる。水中の静寂とリズミカルな動きが、頭をすっきりさせてくれるだろう。
水泳を趣味として持つことで得られるリフレッシュ効果
水泳は精神的なストレスの解消や心地よいリフレッシュ効果が期待できる。水中での活動に集中することで、不安やプレッシャーから徐々に自身を解放することも可能だ。泳ぎ疲れたときには、水中ウォーキングに切り替えたり、仰向けになって全身の力を抜いて浮かんでみたりするなどすれば、より深いリラクゼーションを感じることができる。
水泳は競技としてだけでなく自身のリズムで取り組むことで水泳後の爽快感を最大限に味わうことも可能とする。経営で日々忙しくしているからこそ、水泳に集中することで気分を一新できるだろう。
水泳を趣味にする経営者の成功事例
実際に水泳を趣味にして成功を収めている経営者もいる。彼らは、水泳を通じてストレスを解消しリフレッシュした状態でビジネスに取り組むことができているという。水泳を続ける経営者の成功例としてアイリスオーヤマの最高経営責任者、大山健太郎氏を紹介しよう。
大山氏が水泳を始めたのは、オイルショック後の経済危機が彼の会社を破産の瀬戸際に追い詰めた時期だった。そのつらさから逃れようと、彼が足を運んだ場所はプールだった。泳いでいるうちに大山氏の気持ちは明るくなり前向きな気持ちを取り戻せたそうだ。大山氏いわく「水泳を続けることで結果的に経営危機を乗り越える一歩となった」という。その後、アイリスオーヤマが顧客の視点に立った独特の製品開発で連続的な成功を収めていることはご存じの通りだ。
水泳と経営の意外な共通点
水泳とビジネスには、見た目以上に共通点がある。ここでは、具体的にどのような共通点があるのかを見ていこう。
持久力・忍耐力が必要
水泳では、全力で泳ぐだけではなく力の抜き加減が重要だ。これも経営に通じる。全力で走り続けるばかりではなく、時には立ち止まり周りを見わたすことも大切だ。東京海上ホールディングスの永野毅会長は、学生時代に遠泳部に入り体力と社会性を培ったと語る。部活動は合宿中心で合宿中は毎日10キロメートル以上の遠泳を行い、新しいチャレンジを重ねていったという。
水泳は体力だけでなく長時間泳ぐことで冷える体への耐性も求められる。また海のうねりを乗り越えるために「波酔いに耐える」といった経験も積んだそうだ。
力の抜き加減も重要
力の抜き加減は、遠泳のコツから経営まで多くのシチュエーションにおいて重要な要素だ。遠泳では、力を抜き抵抗を最小限に抑えることが効率的な泳ぎ方となる。バシャバシャと大きな波を立てるようなバタ足では、エネルギーが無駄に消費され、長距離を泳ぎ続けることは難しいだろう。この原理は、組織の経営やお客様との関係構築にも当てはまる。
力を込めすぎて指示を出す経営者では、社員の信頼を得られず、企業文化も窮屈なものになってしまう可能性がある。顧客との関係においても傲慢な態度を持つ経営者は、顧客の信頼を得ることは難しいだろう。時には力を抜くことで、経営者はよりスムーズに物事が進むよう舵取りを行うことが求められる。
経営者の力量とは、このような力の抜き加減を理解し、効率的に組織を運営する能力ともいえるのではないだろうか。
セルフマネジメントや戦略的マインドが身につく
水泳によって、セルフマネジメントや戦略的マインドが身につく例として、学生時代に部活動で水泳をしていた東京海上ホールディングスの永野毅会長を再度紹介する。「遠泳をするためには、きめ細かな準備が必要で、これは社会人としての仕事にも共通するところだ」と永野会長は話す。海洋遠泳では、天気予報を聴いて波や風を予測し、その日の泳ぎが可能かどうかを判断する。
さらに遠泳の経験から大海原で小さな存在である泳者が地道に手足を動かしてゴールに近づく様子や、その達成感は、仕事の地道な努力の積み重ねと同じだという。水泳から得たこれらの経験を通じて、永野会長は「小さな課題や問題を一つずつ解決することが最終的な大きな成果につながる」という信念を持つようになったそうだ。
また水泳を含むトライアスロンを趣味にする経営者もいる。トライアスロンは、自己の強みと弱点を考慮に入れた戦略を必要とする競技だ。参加者は、自然と戦略的マインドを養う。例えば自転車が得意でない参加者は、その部分での体力消耗を最小限に抑え、水泳で競い合うといった戦略を立てるという。