子どもの独立や自身の退職などをきっかけに、加入している保険の見直しを考える人は少なくない。では、実際にどのように保険契約を見直せばいいのだろうか。本記事では、シニア世代の保険の選び方について紹介する。

まずは現在の保険内容の確認から

子どもは自立、そろそろ退職……保険はどう見直すべき ? 判断軸を紹介
(画像=mapo / stock.adobe.com)

まずは、すでに加入している保険の保障内容を把握することから始めたい。これは、どのような保険の種類でも同様だ。

契約内容は、保険証券に記載されているが、それだけでは内容がよく分からない場合は、保険会社に直接問い合わせよう。現在の保険内容を把握したうえで、今後のライフスタイルに合う保障を再考することが大切だ。

死亡保険はどう見直すべき ?

一般的に死亡保険の役割は、遺族の生活費や教育費を保険金でカバーすることだ。子どもが独立した人の場合、子どものための資金は考える必要がなくなるため、配偶者がいる場合は「配偶者のための保険」に切り替えることになる。具体的には、保障金額の設定を「配偶者がその後生活していくために必要な金額」へ変更することが必要だ。

その際は「公的保障だけでは足りない分を賄える金額」を目安にするといい。一般的に定年退職した後の高齢者が必要とする生活資金は約2,000~3,000万円ともいわれている。遺族年金や死亡一時金などの公的保障、貯蓄額を差し引いて不足分を保険で補えるようにしておけば問題ないだろう。

独身者の場合は ?

独身で配偶者や子どもがいない人の場合、死亡保険は必要ないと考える人もいるかもしれない。しかし、誰かに葬儀や遺品整理などの手続きをお願いする必要はあるため、そのための費用分は備えておくとよいだろう。

一般的には、何歳で亡くなっても死亡保険金が支払われ貯蓄性もあわせ持っている「終身保険」で備えることが多い。亡くなる前に解約したとしても解約返戻金が受け取れる点もメリットだ。

医療保険はどう見直すべき ?

日本には「高齢者医療制度」の手厚い公的保障があるため、保険適用範囲内であれば医療費の心配はさほど必要ない。しかしなかには、公的な医療保険で対応できない費用もあるため、注意が必要だ。

例えば差額ベッド代や入院中の食事代、先進医療費などは公的保険対象外となるため、自己負担となる。つまり民間の医療保険を検討する際には、これらをカバーできる保障内容であるかを必ず確認したい。

想定し得る病気をチェック

医療保険の内容は、保障範囲が多様であるため、自分に合ったものを選択することが重要だ。例えば、脳血管疾患など入院期間が長くなる傾向のある病気が心配であれば、入院日額の保障を多めに見込んだ内容がいいだろう。また心配な病気の治療方法として推奨されているものが公的保障対象外であれば、それをフォローできる内容を選ぶのが望ましい。

難しいかもしれないが、自分の過去の健康診断結果や家系の健康状態を見て想定し得る病気や治療法を確認しておくことが重要となる。ただし、保障内容を充実させれば保険料負担は大きくなる。魅力的な内容であっても保険料が高額となる場合は、加入した際のメリット・デメリットを十分に考えたい。

がん保険はどう見直すべき ?

がん治療は、医療の進歩とともに変化しているため、それに合ったがん保険を選択することが肝心だ。例えば近年は、がん治療のための入院日数は短くなっており、通院治療を受けるがん患者の割合が増加している。そのため見直しの際には、通院に関する保障をどの程度確保できるのかチェックしておきたい。

なるべく早いタイミングで

がんは、加齢とともに発症のリスクが高まる。ただ見直し時点で新たに加入申し込みをしても確実に契約できるとは限らない。なぜなら保険の加入時には、健康状態を保険会社に伝える告知義務があり内容によっては加入を断られる可能性があるからだ。そのため、できるだけ健康に不安が生じる前に見直しや加入を検討することをおすすめする。

地震・火災保険はどう見直すべき ?

大雨や地震など自然災害が増えている日本では、地震・火災保険の内容も軽視できない。自然災害で被害を受けた場合、公的支援のみで生活再建を行うことは非常に難しいだろう。補償内容を決めるうえでは、まず「住宅の構造や居住する所在地にどういった災害リスクが潜んでいるのか」についてハザードマップなどを使って確認しておくことが重要だ。

また、子どもの独立や親との同居などライフスタイルの変化があったときに見直しておきたいのが家財保険だ。家財の増減にあわせて火災保険の補償内容も確認しよう。

このタイミングで見直しを

人生100年時代において、寿命を100歳と設定するならば先はまだまだ長いかもしれない。しかし万が一のリスクは、若いころに比べて高くなっているのも事実だ。現状加入している保険が過不足のない契約内容となっているか、このタイミングで見直すことを検討してみてほしい。

(提供:大和ネクスト銀行


【関連記事 大和ネクスト銀行】
大切なのは「お金より時間」? お金の管理を「時間」に応用しよう
個人投資家の強みを活かす ! 機関投資家が参入しづらい銘柄の特徴
知っているとお得な「株主優待知識」をおさらい ! 全4選
落語で学ぶ「お金にまつわる」3つの教訓
富裕層が米ドルを選ぶ理由「殖やす」以上に大切なコト