本記事は、伊庭正康氏の著書『即効性バツグン、あらゆる場面で使える 営業テクニック図鑑』(日本実業出版社)の中から一部を抜粋・編集しています。
新規開拓
契約率を高める効率的な「リストの絞り方」
属性で分けて、ターゲットを明確にする
新規開拓を行う際、最も重要なのが、「リストを絞る」ことです。実際、正しく絞ることができれば、スキルを高めずとも、2~3倍くらいは新規開拓力を上げることができます。いくつかの絞り方がありますが、簡単な手法は、感覚で絞るのではなく、「契約率」の高い属性に絞る方法です。
例えば、1,000件の
この数字を下まわる属性をリストから削除すれば、「契約率の高いターゲットに絞れる」わけです。
次に、リストを“属性”に分けて検証する方法を紹介しましょう。属性とは、「業界別」「規模別」「他社利用実績別」などの「●●別」で区分することを指します。
一例として、「他社利用実績別」で属性を検証して、以下のようになったとしましょう。
- A社を利用している……契約率5% → ココを対象に!
- B社を利用している……契約率2%
- C社を利用している……契約率1%
この場合、契約率3%以上をターゲットにすると、「A社を利用している」属性に絞ることになります。
さらに次の切り口として、「業界別」で属性を検証して、以下のようになったとしましょう。
- 業界α……契約率8% → ココを対象に!
- 業界β……契約率2%
- 業界γ……契約率1%
この場合は「業界α」だけに絞ることになります。
なおこの時、絞りすぎを予防するため、「AND」(かつ)ではなく「OR」(または)で絞ってください。つまりここで紹介した事例ですと、「A社を利用している」「業界α」の両方の属性に、それぞれアプローチするということになります。
- ONE POINT
- リストは「どこを捨て」「どこに絞るか」を明確にする。
- リストは「AND」(かつ)ではなく「OR」(または)で絞る。
テレアポ
無理なくテレアポを進める「適正架電数」の出し方
がんばっても達成できない“負け戦”を避ける
テレアポの架電数はどのくらいがベストなのでしょう。中には、いくらがんばっても目標に届かない設計になっている職場もあります。こうなると、「負け戦」をしているようなもの。そうならないためにも、まずは「適正架電数」を明確にしておきましょう。適正架電数は、次の2つのステップで決めます。
Step1 目標に届く「架電目標」を設定
Step2 さらに、「1時間あたりの必要な架電数」を計算して、無理な架電数になっていないかを検証
1日に1件の契約をすることを目標に掲げる営業のケースを例に挙げて説明していきましょう。
【契約目標】 1日1件
【達成シナリオ】
架電目標……1日100件
アポ目標……3件(アポ率3%)
契約目標……1件
この設計の場合、100件の架電をすれば目標に届く計算になっていますのでStep1はOKです。次はStep2の「1時間あたりの必要な架電数」を計算します。1日に4時間を架電に費やすとしましょう。その場合、次のようになります。
- 【適正架電数】 1日100件÷4時間=1時間あたり25件
このケースでは、「1時間あたりの架電数」は25件となります。でも、これが「無理な設計」だといけません。社内のハイパフォーマー、もしくは世の中の1時間あたりの“架電数の相場”と照らし合わせるといいでしょう。
- 【架電数の相場】
- タイミングキャッチ型の架電 ⇨ 1時間あたり35~45件
- 継続アプローチが前提の架電 ⇨ 1時間あたり20~25件
(対話が必要なため)
相場に照らし合わせると、「継続アプローチが前提」の場合、1時間あたり25件という架電目標は、無理のない目標になっていることがわかります。これより高いと、無理のある設計となり、逆に低いと余裕があるというわけです。
ぜひ、あなたの営業活動が「適正架電数」になっているかの確認をしてみてください。
- ONE POINT
- テレアポをする際は、目標から逆算して1時間あたり架電数が適正かどうかを検証しましょう。
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