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昨シーズン、リーグ優勝、そしてUEFAチャンピオンズリーグ準優勝と大きな旋風を巻き起こしたアトレティコ・マドリード。そのアトレティコに、中国不動産大手ワンダ・グループ会長である王建林(ワン・ジェンリン)氏が資本参加すると10月中旬に複数のスペインメディアが報じた。

つい、先日にはシンガポールの投資家、ピーター・リム氏によるバレンシアの買収が完了したばかりだ。相次ぐアジア資本による欧州クラブの買収により、今、アジアの大富豪に注目が集まっている。

■王氏とは、一体どのような人物なのか?

王氏は1954年10月24日生まれであり、遼寧大学を1986年に卒業。1988年に現在のワンダ・グループを設立している。ワンダ・グループは中国東北部の大連、瀋陽を中心に、総資産額およそ約2兆1,600円(2013年時点)の商業用不動産を保有している。

2014年3月3日に発表されたフォーブス誌の2014年版世界長者番付によると、総資産は130億ドル(約1兆3,650億円)であり世界長者番付では82位にランクイン。中国人ではアリババの馬会長らに次いで4位につけている。

このように中国でもトップクラスに入る大富豪である王氏だが、サッカーへの関わりは古い。地元大連市のクラブ『大連足球団』への出資を1993年から2000年まで行い、クラブ名を大連万達(ダイレンワンダ)としていたことがある。また、今年1月には、サウサンプトンへの投資も噂されていた。

また、王氏は中国サッカー協会のスポンサーになり、バレンシア、アトレティコ、ビジャレアルのカンテラにユース世代の選手をサッカー留学させるプロジェクトの支援を2011年から行っている。その縁で資本参加の話が持ち上がったものと思われる。

■財政難に苦しむアトレティコ

2014年1月に監査法人デロイトが発表した『Football Money Laegue 2014』によると、2012-13シーズンの収入ランキングでアトレティコは1億2千万ユーロ(約163億円)をあげ、全体の20位につけている。しかし、同じマドリードを本拠地とする宿敵レアル・マドリードは約5億2千万ユーロ(約707億円)の収入であり、アトレティコと比べて4.3倍の差がある。

また、アトレティコは近年財政難に苦しんでいる。2011年には5億1,700万ユーロ(約700億円)の債務未払いがあり、そのため主力選手の放出を余儀なくされている。2011年夏にはセルヒオ・アグエロをマンチェスター・シティに4,000万ユーロで放出。2013年夏にはラダメル・ファルカオを6,000万ユーロでモナコに放出、さらに2014年にはリーグ優勝の立役者となったジエゴ・コスタを4,000万でチェルシーに売却した。

レアル・マドリードやバルセロナのような世界的クラブとしての地位を確立させるためには、多くの投資が必要だ。資本増強によるチーム強化を図りたいアトレティコ側と、サッカーへのスポンサーシップに熱心な王氏の思惑が一致すれば、今回の資本参加は現実のものとなるだろう。

(ZUU online)

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