この記事は2023年7月4日(火)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「小林芳彦氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=Paylessimages/stock.adobe.com)

2023年6月27日(火)の午後12時半に現役トレーダーの小林芳彦さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

小林芳彦
1979年慶応義塾大学商学部卒、同4月株式会社協和銀行入行。 外国為替研修生・営業店外国為替業務経験後、1987年から本店資金為替部調査役。 インターバンク(フォワード)ディーラー・カスタマーデスクヘッドなどを歴任後、1989年10月よりクレディスイス銀行(資金為替部長)、1997年クレディスイス・ファーストボストン銀行(シニアセールス)、1998年バイエリッシェ・ヒポ・フェラインス銀行(為替資金部長)、2001年バンク・オブ・アメリカ(為替資金部営業部長)で数十社の法人顧客を担当。

現在の為替相場の傾向や相場観

米ドル/円は先週6月30日(金)に、節目であった145円台に乗せてきたが、その後すぐに跳ね返された。それでも大きくは下がらないので、現在、流れからしてもファンダメンタル面からしても、ドル買い・円売りが強い地合いだろう。今のところ材料難で145円台に乗ってくると、口先介入がきつくなってくるかと思うが、かといって今の状況だとまだ介入は入らないと考えている。

現状レベルが145円なのでその1%は1円45銭、つまりほぼ1円50銭に当たる訳だが、実際に1%変動し、円安が進むような局面があれば「過度な変動」という理由をつけて介入しても仕方がないといわれるかもしれない。しかし、20~30銭しか動いておらず、しかも円高方向の時は介入はまずないだろう。

現在、英・欧・米などが揃って利上げをしており、その背景はインフレ対策なわけだ。しかしそれに対し日本は現状維持のままのため、金利差は広がっていく一方だ。となると米国から考えた場合、ドル高に動いたほうが輸入物価は安くなるため、輸入物価だけを考えるとドル高のほうがインフレ抑制効果がある。つまり、米国はドル高で困ってはいない。

しかしそんな中、日本が介入することにより米ドル/円を落とそうとすると米国にとっても不都合なわけだ。また、人為的な介入に関しては海外は否定的なため、実際に介入をするにはまだ難しい状況なのではないだろうか。

現在の為替相場の戦略やスタンス

今週の米ドル/円予想レンジは142.50~147.00円。戦略的にはドル買いから入りたい。142円台、143円台で押し目を買って、145円台後半から146円台ではしっかり利食いたい。

先週も述べた通り、リアルタイム以外のトレードは避けたほうがいいだろう。

▽米ドル/円の日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。