夫婦のなかには、子育てを前提にした間取りの自宅を所有している人もいるのではないだろうか。しかし子供が独立してしまうと、夫婦だけで過ごす日がやってくる。はたして夫婦だけで広い家に住み続けるのは得策だろうか。本記事では、子供が独立してしまい夫婦だけでは家が広すぎると悩んだときの選択肢を5つ紹介する。
「子供の独立」で夫婦に訪れる問題点
子供が成長して独立すると、夫婦水入らずの自由なセカンドライフが始まる。そこで訪れるのが、夫婦2人には活用しきれないスペースを持て余した家の問題だ。ここでは、代表的な問題点を4つ紹介していく。
家が広すぎて管理が大変になる
家が広いと管理も大変になりやすい。例えば使っていない部屋があっても日々の掃除や手入れは必要だ。また空きスペースを活用したくても子供のモノが残っていると、その管理も親がしなければならない。さらに未使用部屋の待機電力や、広い部屋でエアコンを使用すると電気代が高くなるなど、思わぬところで維持費もかさむ。
このように家が広すぎるとさまざまな負担が増す可能性があることに注意したい。
固定資産税がもったいなく感じる
子供が独立して夫婦だけとなっても固定資産税が大きく下がるわけではないため、もったいなく感じる人もいるだろう。固定資産税は、家や土地の評価額が高いほど高額になる仕組みだ。そのため広大な敷地に大きな家を建てていれば、その分固定資産税も高くなる。子供と生活していたときは、やむを得ないと感じていても夫婦2人だけでは負担が大きく感じてしまう人もいるかもしれない。
老朽化も気になる段階に
子供が独立するころには、築年数が20年前後となっている可能性があるため、家の老朽化が進んでいることも考えられる。なかには、耐震性や防犯面などに不安が出てくる人もいるのではないだろうか。また家だけでなく夫婦が高齢になっていくため、家のメンテナンスに苦労する場面が出てくる可能性もある。大規模な修繕費などの経済的負担や日ごろの管理面の肉体的負担なども考慮しておきたい。
自分が亡くなったあとのことも気になり始める
自分やパートナーが亡くなったあとの家の相続や処分についても気になり始めるはずだ。子供に家を相続させることも選択肢の一つだが、必ずしも親が思っているような行動を取るとはいえない。相続後、移り住むことがなく毎年固定資産税だけが発生する「負動産」になってしまうと子供にとっては大きな負担にもなりかねないだろう。
子供が独立後の選択肢
実際に子供の独立後に生じる問題点に対してどのような対応策が取れるだろうか。ここでは、5つの選択肢とそれぞれのメリットとデメリットを解説していく。
そのまま住み続ける
まずは「そのまま住み続ける」という選択肢だ。家族との大切な思い出が詰まった家をそのままの形で残すことができるため、子供が帰省した際にも重宝するだろう。最もお金がかからない選択肢であり、今後の生活資金を使わずに確保しておける点はメリットだ。
一方デメリットとしては「家の老朽化に対する不安や維持管理が大変」「高齢になるにつれて生活に不便さを感じる可能性がある」といった点が挙げられる。またそれに伴い、将来的に「負動産」となる恐れも出てくるだろう。
リフォームや建て替え
家の状態が比較的良好であれば「リフォーム」、家の老朽化が激しい場合は「建て替え」という選択肢もある。リフォームであれば基本的に思い出のある家をそのまま残すことができ、将来的な生活にも活かせるバリアフリーにすれば快適な空間を作れるだろう。建て替えほどの費用がかからないのもメリットだ。
また建て替えの場合、今後の生活により適合した住居を手に入れることが期待できる。耐震性や安全性を強化でき、より資産価値の高い状態で子供に引き継ぐことが可能だ。一方で「まとまった費用がかかる」「一時的な仮住まいが必要」といったデメリットもある。
空き部屋を「民泊」「教室」などで活用してみる
子供部屋など使用しない部屋がある場合は、民泊や教室などで活用することも可能だ。住居の1室を貸し出す「ホームステイ型」と呼ばれる民泊の場合、空き部屋を活用して収益を得られるのはメリットといえるだろう。趣味などの教室として活用する場合は、収益を得られて同じ趣味の仲間と集えるというメリットもある。
一方で、自宅の一部に第三者が出入りできるようになるため、セキュリティ面の心配が発生する。また、初期投資が必要になる場合がある点もデメリットだ。
自宅を売却して狭い物件に引っ越す
自宅を売却して2人暮らしにあったサイズの物件に引っ越すことも選択肢の一つだ。売却することで資金を増やし、将来的な生活に充てることができたり、子供に家を相続させる負担を減らせたりする点はメリットといえる。
一方で家族の思い出が詰まった家を手放す必要があり、人によっては手放すことが精神的な負担となる可能性もあるだろう。また売却するために不動産会社と交渉したり引っ越しの手間がかかったりすることもデメリットの一つだ。
狭い物件に引っ越して、自宅を賃貸物件として不動産運用する
自分たちは狭い物件に引っ越し、家は賃貸物件として運用することも選択肢の一つだ。家を手放すことなく家賃収入が得られる点はメリットである。一方、入居者が見つからず空き家になるリスクがあることや、誰も住んでいなくても家の維持管理や老朽化に対処する必要が出てくる点はデメリットだ。
夫婦で将来について話し合いを
子供の独立に伴い、必ず訪れるのが家の問題だ。家族で過ごした愛着ある家に住み続けるか、住みやすい家に建て替えるか、引っ越すかといった選択肢は、2人のこれからの生活次第である。これを機に夫婦で家の将来や資金計画について話し合ってみるのもいいかもしれない。
(提供:大和ネクスト銀行)
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