この記事は2023年7月26日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=baphotte/stock.adobe.com)

2023年7月26日(水)の午前11時すぎに、現役トレーダーの西原宏一さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

西原宏一
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行にて為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラーなどを歴任後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。

現在の為替相場の傾向や相場観

今週は中央銀行ウィーク。日本時間の明日27日(木)未明からFOMC、ECB、そして明後日28日(金)の日銀金融政策決定会合へと続く。この中の最大の注目は日銀金融政策決定会合だ。

今月の米ドル/円は28日(金)の日銀金融政策決定会合の思惑をきっかけに乱高下を演じている。まず、米ドル/円の145円からの急落はドル金利の下落もあるが、日銀のYCCの修正観測という報道。そして先週21日(金)に140.00円のオプションを簡単にブレイクして米ドル/円を141.96円まで急騰させたのが「28日(金)の日銀は動かず」という報道。

今年の米ドル/円は、日銀がらみの報道で投機筋が大きくリスクを取っていると言われている。実際、今月の米ドル/円の乱高下時の値幅をチェックすると、6月30日に145.07円の高値をつけてから2週間弱となる7月14日に137.25円まで急落。この間の値幅は7.82円で約8円。そして「28日(金)の日銀は動かず」報道で一気に141.96円まで、4.71円も急騰している。

現在の為替相場の戦略やスタンス

日銀の金融政策決定会合の結果に関しては、本日26日(水)午前11時時点でも様々な憶測が飛び交っており不透明。主要中央銀行の金融政策に関しては、個人的に予測の自信度が高い時はポジションを傾けて、結果を待っていることも少なくない。

ただ、今年の日銀に関しては、前述のように思惑が拡大するだけで4~8円も変動するため、日銀前にリスクを落として、その後結果によってリスクを取ろうと考えている。大きな流れとしては、結果を受け、クロス円が急落するようなことがあれば、スイスフラン/円を中心に押し目を探したい。

仮に米ドル/円が145円を超えていくようなステージがあれば、介入懸念が拡大するため、少しずつショートを構築しようと考えている。いずれにせよ、28日(金)の日銀金融政策決定会合に注目だ。

▽米ドル/円日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

*:当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。