楽天は10月1日から、楽天スーパーポイントが実店舗でも使えるサービス『Rポイントカード』を開始した。
このカードによって、インターネット仮想商店街『楽天市場』での買い物や旅行予約サイト『楽天トラベル』の利用などで貯まる楽天スーパーポイントが、リアルの実店舗でも使えるようになる。
加盟店でのRポイントカード配布を始め、また専用のスマートフォンアプリ『Rポイントカードアプリ』のAndroid阪を公開した。iPhone阪も近日公開予定とのことである。
全国約12,600以上の加盟店舗でRポイントカードを提示することにより、『楽天スーパーポイント』の獲得や使用ができるようになる。加盟店は現在プロント、ミスタードーナツ、サークルK、サンクス、ポプラ、生活彩家、大丸、松坂屋、出光興産、パレットプラザ、55ステーションなど12社。
楽天の狙いとは
Rポイントカードを開始した背景として考えられるのは、ポイントサービスにおける楽天のシェア向上およびTポイントやPontaとの差別化である。
楽天の戦略は、Rポイントカードの9,400万人の楽天会員が利用する楽天市場と実店舗を含めた圧倒的な購買ビッグデータを加盟店に提供し、商品開発や価格戦略などのマーケティングに生かしてもらう、その結果、楽天のECサイトの収益にも貢献することを目的としている。
また、顧客が「楽天経済圏」でポイントを使えば使う程、楽天のサービスへの依存度・使用頻度は高まっていく。TポイントやPontaとの差別化要素は、加盟店舗がメールやRポイントカードの携帯アプリを実店舗への集客に利用できる点である。
ポイントカードの覇権争い激化
競合のTポイントは、現在約5000万人が利用し、ファミリーマート、マルエツ、ガストなど114社の約23万店で利用可能である。ヤフーのネット通販モール『Yahoo!ショッピング』で貯まるヤフーポイントがTポイントに統合され、実店舗およびネットで利用範囲が拡大した。
他方、Pontaは、ローソン、ゲオ、昭和シェル石油など80社・107ブランド・全国2万3400店舗で現在利用可能できるが、リクルートポイントが来春Pontaに統合されることが決定しており、これにより、加盟店舗数は10万店舗規模に拡大する見通しである。
以上の通り、『Rポイントカード』のライバルである『Tポイント』および『Ponta』が実店舗からネットに利用範囲を拡大する方向性であったのに対して、楽天の『Rポイントカード』はネットから実店舗へ利用範囲を拡大させようとしている。
だが、既に『Tポイント』と『Ponta』など大きな競合は既に様々な大手企業の店舗を囲い込んでいるので、新たに楽天が参入する余地は少ない可能性もある。10月1日の会見で楽天の三木谷社長は「加盟店を1業種1社などの制限を設けず、より広範に広げていく。」としており、一気に実店舗の利用拡大が進む可能性があるが、そのためには、より強い実店舗に対するメリットの訴求が必要となるだろう。
(ZUU online)
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