「日の丸ウイスキー」は、1823年創業の木内酒造が造るウイスキーです。
日本産にこだわった原料と、老舗酒造ならではの技術で新たなジャパニーズウイスキーの歴史を開拓しようとしています。
「日の丸ウイスキー」は数々の賞も受賞しており、2023年には世界展開を開始しました。
日本を代表するウイスキーを目指す「日の丸ウイスキー」の歴史や製法、ラインナップを紹介します。
この記事の監修者
浅野まむ
お酒とBarを愛しています。バーテンダー歴8年、現在ライター。ウィスキーエキスパート資格持ち。 1人で飲むのも、2人で飲むのも、大勢で飲むのも何でも好きです。
「日の丸ウイスキー」とは
「日の丸ウイスキー」は、200年の歴史ある木内酒造が製造しているジャパニーズウイスキーです。
国内外で評価が高く、2023年には「東京ウイスキー&スピリッツコンペティション」と「The San Francisco World Spirits Competition」でそれぞれ金賞を受賞しています。
数々のコンペティションでの受賞歴を誇る「日の丸ウイスキー」を紹介します。
「日の丸ウイスキー」の製造地
「日の丸ウイスキー」は、茨城県石岡市八郷地区にある八郷蒸溜所で造られています。
八郷蒸溜所は筑波山の東の麓に位置し、年間雨量が少なく昼夜の気温差が大きいことが特徴です。
茨城県石岡市八郷地区は「にほんのさと100選」にも選出されるほど、昔も今も変わらずのどかな田園風景が広がっています。
八郷地区の豊かな風土のもとで「日の丸ウイスキー」は生まれ、熟成のときを重ねているのです。
「日の丸ウイスキー」の歴史
江戸時代の後期から酒造りを始めた木内酒蔵によって造られている「日の丸ウイスキー」ですが、誕生までにどのような歴史をもつのでしょうか。
木内酒造がウイスキー造りを始めてからこれまでの歴史を紹介します。
200年の歴史ある酒蔵が始めたウイスキー造り
木内酒造は1823年に酒造りを始めました。
国内で育種されたホップでビール醸造も行っており、ビール醸造の際に廃棄される高デンプンの大麦に着目します。
高デンプンの大麦を廃棄せずにウイスキー造りに活かせないかと考え、木内酒造は2016年からウイスキー造りという新たな挑戦を始めました。
後に筑波山麓の茨城県石岡市八郷地区に八郷蒸溜所を設立し、2020年に本格的に始動します。
ウイスキーの造り方をゼロから構築
これまで多様な酒類を製造していた木内酒造ですが、ウイスキー造りは初めてのことでした。
しかし蒸留設計は本場である海外メーカーに一任せず、木内酒造独自の個性を生み出せるよう、日本酒やビール造りの技師らがゼロから蒸留システムを設計します。
「造り方から造る」が独自のウイスキーを生み出した木内酒造のやり方であり、糖化槽やろ過槽、発酵槽、ポットスチル、樽などの設備を世界中のメーカーから選び抜いて組み合わせています。
新たなジャパニーズウイスキーを目指して
木内酒造が設立した八郷蒸溜所は、2023年6月に開催された「東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC)」において、「ベスト・ジャパニーズ・クラフト・ディスティラリー・オブ・ザ・イヤー」を受賞しました。
地元茨城県で作られる国産モルト、原材料の小麦、米などにこだわったウイスキー造りが評価されたのです。
八郷蒸溜所では木内酒造が培ってきた技術や知識を基に、モルトウイスキーだけでなくグレーンウイスキーも製造し、味わい豊かなジャパニーズウイスキー造りを行っています。
世界へ羽ばたく「日の丸ウイスキー」
「日の丸ウイスキー」は2023年1月にニューヨークで世界展開に向けたリリースイベントを開催しました。
アメリカでの販売を皮切りに、2023年中に台湾、香港、スウェーデン、オーストラリアなどでの販売を予定しています。
実は2023年は木内酒造が創業200周年を迎える年でもあり、その記念に木内酒造は3つのコンセプトを掲げたウイスキー製造に取り組んでいました。
- 蒸留・貯蔵・瓶詰めまでの工程を100%自社で行う
- 可能な限り、地元茨城県の麦、米などの穀物を原料に使用する
- 欧米と同様ではなく、日本オリジナルのウイスキー製造を行う
これら3つのコンセプトを満たした「日の丸ウイスキー」は無事完成し、記念すべき創業200年の年に世界へと羽ばたいたのです。