この記事は2023年11月8日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=BluePlanetStudio/stock.adobe.com)

2023年11月8日(水)の午前10時すぎに、現役トレーダーの西原宏一さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

西原宏一
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行にて為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラーなどを歴任後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。

現在の為替相場の傾向や相場観

今年は日銀の金融政策決定会合後に、円安になる傾向がある。今回も同様。

日銀は10月31日(火)の金融政策決定会合でYCC政策(=長短金利操作)の一段の柔軟化措置を決定。しかし、マーケットはより踏み込んだ措置を警戒していたため、日銀後、急速に円安に。

米ドル/円は一時151.72円付近まで上昇。昨年高値である151.95円に迫るレベルまで急上昇した。10月31日(火)の米ドル/円の一日の値幅は269pips(=151.72円-149.03円)と一気に3円近く円が急落している。

これで当局が為替介入の条件にしているボラティリティが、かなり高まったことになり、日銀によるドル売り介入が実施される可能性は急速に高まっている。加えて、後述のように神田真人財務官が「為替介入は『スタンバイ』状態だ」と宣言していることも米ドル/円の上値を抑えている。

神田真人財務官は11月1日(水)、為替相場が1ドル=151円台後半と年初来高値を更新したことを受け、一方的で急激な動きを懸念するとし、為替介入の可能性について「スタンバイしている」と市場をけん制した。財務省内で記者団に語った。介入のタイミングについては市場の状況をみながら緊張感を持って判断するとし、「いつ何をするかは申し上げることはできない」と述べるにとどめた。

(出所:ブルームバーグ)

現在の為替相場の戦略やスタンス

10月31日(火)の米ドル/円の高値は151.72円付近。昨年の最高値(=@151.95円)にほぼ到達していることになる。

結果、米ドル/円に関しては中期での押し目買いは変わらないが、短期では150円後半から戻り売りが有効ではないだろうか。

▽米ドル/円 日足チャート

231108nishiharaS
(画像=羊飼いのFXブログ)

*:当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。