起業アイデアはどうまとめる? ビジネスモデルへの落とし込み方

起業アイデアを形にするには、明確なビジネスモデルになるまで落とし込む必要がある。アイデアだけで事業を成功させることは難しいため、ビジネスモデルへの落とし込み方も合わせて確認しておこう。

【STEP1】ビジネスモデルにするアイデアを絞る

すべての起業アイデアをビジネスモデルにすると労力がかかるため、まずは以下のポイントを意識しながら候補となるものを絞っていく。

起業アイデアをどう考える? 狙いどころや必要な視点を事例つきで解説

現時点では明確にならないポイントもあるため、このプロセスでひとつの候補に絞る必要はない。ビジネスモデルにしてから比較することも可能なので、上記のポイントから明らかに外れているアイデアのみ候補から除外しよう。

【STEP2】コンセプトを設定する

次は、候補として残った起業アイデアのコンセプトを設定する。大まかなコンセプトはすでに考えているかもしれないが、このプロセスではより具体的な事業コンセプトを設定することが重要だ。

起業アイデアをどう考える? 狙いどころや必要な視点を事例つきで解説

上記の4つを決めると、起業アイデアを一言で表せるようなコンセプトが浮かびやすくなる。コンセプトは事業の魅力を決定づけるものなので、曖昧で漠然としたものではなく、各要素を丁寧に突き詰めながら設定していこう。

【STEP3】競合優位性を明確にする

多くのニーズを見込めるビジネスであっても、強力な競合が現れると風向きは一気に変わる。そのため、どのような競合が現れても対処できるように、各アイデアの「競合優位性」も明確にしておく必要がある。

競合優位性を把握するには、将来も含めてどのような競合が存在し、「どの部分に自社ならではの強みがあるのか?」を見極めることが重要だ。自社の強みについては、競合が抱えている課題や弱みに着目すると見極めやすくなる。

【STEP4】実現する方法を考える

ここまで滞りなく進んだ起業アイデアは、魅力的なものである可能性が高い。ただし、商品・サービスを提供できる環境がなければ、アイデアはそのまま夢物語で終わってしまう。

実はアイデアを形にする際に、最もつまずきやすいポイントがこのプロセスである。したがって、ビジネスを実現する方法については、以下のように細かい部分まで設定しなければならない。

起業アイデアをどう考える? 狙いどころや必要な視点を事例つきで解説

各項目を設定した結果、最終的に「実現可能性が低い」と判断したアイデアは、この段階で切り捨てることを検討しよう。

【STEP5】収益モデルを明確にする

収益モデルとは、ビジネスに関わる資金・収益の流れを構造化したものである。この段階で具体的な売上予測を立てる必要はないが、少なくとも以下の点は明確にしておかなくてはならない。

・商品やサービスに対して顧客が感じる価値
・顧客が対価として支払うもの(会社にとっての収益源)
・ビジネスを進める上で発生するコスト(仕入れ費、テナント費、販管費など)

収益モデルでは、あくまで金銭的な収益源となる商品・サービスのみを対象にすることが重要だ。例えば、弁護士などが提供している無料相談はサービスの一部ではあるものの、実際の依頼がなければ利益にはつながらない。

この点を勘違いすると、無料で提供する商品・サービスのウェイトが大きくなり、ビジネスモデル全体の収益性が下がってしまう。宣伝のために必要なケースもあるが、理想とする収益に届かないと判断した場合は、無料で提供する範囲を狭めることも考えよう。

【STEP6】事業の継続性を判断する

ここまで進んだら、最後に事業の継続性(いつまで続けられるか?)を判断する。継続性を見極める際には、事業を進めていく上で蓄積されるノウハウや知識などを加味することが重要になる。

そのほか、顧客や市場のデータ、状況によってはブランド力なども蓄積されていくだろう。事業を通して蓄積される武器が多いほど、事業の継続性は高くなっていく。