起業の失敗を避ける3つのコツ

ベンチャー企業の生存率は創業5年後で15%、20年後で0.3%ほどと言われている。つまり、起業を成功させる難易度は非常に高く、大半の起業家は失敗を経験していることになる。

失敗の経験が成功へとつながるケースもあるが、多くの起業家は「1回目から成功したい」と感じているはずだ。では、起業の失敗を避けるには、どのような点を意識してビジネスを組み立てれば良いのだろうか。

1.常に客観的な視点をもつ

主観的な視点で考えた起業アイデアは、失敗するリスクが非常に高い。商品の魅力やニーズなどを自分本位で判断すると、そのほとんどが根拠のないデータになってしまうためだ。

したがって、起業アイデアやビジネスモデルを考える際には、常に客観的な視点を意識する必要がある。いつの間にか主観的な考えになってしまう場合は、以下のことを試してみよう。

・消費者の立場になって物事を判断する
・家族や友人など、周りの人に起業アイデア(ビジネスモデル)を見てもらう
・ビジネスコンテストなどに参加し、客観的に評価してもらう
・SNSなどを利用し、関連する商品やサービスを利用しているユーザーの声を拾う

上記のほか、競合の強みや弱みを分析することも客観的な視点につながる。特に実際の数値データと比較すると分かりやすいので、競合他社のリサーチには十分な時間をかけることが重要になる。

2.資金繰りがうまくいかないパターンも想定しておく

起業直後の企業が倒産する要因は、その大半が資金不足と言われている。ビジネスが軌道に乗るまで安定した収益は見込めないため、それまで事業を続けられるようにまとまった資金を用意しておかなくてはならない。

しかし、特に実績のない企業や経営者にとって、資金調達を安定させるハードルは高い。起業家をサポートする創業融資なども存在するが、融資実行までに1ヶ月ほどかかるケースもあるので、こういった支援制度だけでやり繰りをすることは難しいだろう。

したがって、アイデアをビジネスモデルへと落とし込む際には、資金繰りがうまくいかないパターンも用意しておく必要がある。「資金が足りないときにどうするか?」や「急な出費をどこから捻出するか?」などを考えておけば、いざ資金トラブルが発生してもすぐに動き出せるはずだ。

資金に関するプランは希望的な観測になりやすいため、理想のパターンだけを基に行動を始めることは控えておきたい。

3.ビジネスモデルや事業計画は柔軟に修正する

当初の目的や目標を達成することは重要だが、それにこだわり過ぎると変化に対応できなくなってしまう。そもそも、ビジネスの世界には多くの変動要因があるため、市場やニーズの状態が変わったらすぐに軌道を修正することが必要だ。

例えば、2019年以降から蔓延している新型コロナウイルスは、各業界に大きな影響を及ぼしている。飲食店の営業時間が短縮されたことで、テイクアウトや配達サービスを始める店舗が増えたことは記憶に新しい。

ほかにも、短期的なブームや経済情勢、政府の方針などによっても市場・ニーズの状態はコロコロと変わる。当初から全く同じ形で数十年続けられるビジネスは少ないため、普段から市場の変化を敏感に察知し、こまめにプランを修正する癖をつけておこう。